高卒採用の基礎知識

学校訪問で絶対やってはいけない3つのNG行動

著者: 株式会社ゆめスタ
学校訪問で絶対やってはいけない3つのNG行動

「学校を訪問しているのに採用につながらない」「先生に冷たくあしらわれた」そんな経験はありませんか?

実際に、学校訪問は高卒採用において最も重要な活動ですが、間違ったアプローチで先生の信頼を失ってしまう企業が少なくありません。多くの企業は「訪問すれば何とかなる」と考えていますが、適切なマナーと準備がなければ逆効果になることもあります。

しかし、学校訪問で避けるべきNG行動を理解することで、先生との信頼関係を築き、採用成功へとつなげられます。

この記事では、学校訪問で絶対にやってはいけない3つのNG行動と、信頼を築く正しいアプローチを具体的に解説します。

この記事で分かること

  • 学校訪問で絶対に避けるべき3つのNG行動
  • 先生が嫌がる営業的なアプローチとは
  • 信頼を失う訪問のタイミングと準備不足
  • 先生に信頼される正しい学校訪問の進め方

読了時間: 約8分


目次

  1. なぜ学校訪問でNG行動をしてしまうのか
  2. NG行動その1: アポなし訪問・不適切なタイミング
  3. NG行動その2: 営業的・売り込み姿勢
  4. NG行動その3: 準備不足・一方的な説明
  5. その他の注意すべきNG行動
  6. 先生に信頼される正しいアプローチ
  7. 学校訪問成功のための5つのチェックリスト
  8. まとめ

なぜ学校訪問でNG行動をしてしまうのか

「訪問すれば何とかなる」という誤解

多くの企業が学校訪問で失敗する最大の理由は、「とりあえず訪問すれば採用につながる」という誤解です。

実際には、学校訪問は先生との信頼関係を築くための長期的な活動であり、1回や2回の訪問で採用に結びつくものではありません。

統計によると、1名を採用するために平均8校の学校訪問が必要とされています。つまり、計画的かつ継続的な訪問が不可欠なのです。

高卒採用と大卒採用の違いを理解していない

大卒採用と同じような「営業的アプローチ」で学校を訪問してしまう企業が多く見られます。

しかし、学校の進路指導の先生は「営業される相手」ではなく、「生徒の未来を真剣に考えるパートナー」です。

この違いを理解せずに訪問すると、先生から敬遠されてしまいます。


NG行動その1: アポなし訪問・不適切なタイミング

アポなし訪問は絶対NG

学校訪問で最もやってはいけないのが「アポなし訪問」です。

進路指導の先生は、授業、部活動指導、他企業との面談、進路相談など、非常に多忙なスケジュールで動いています。特に7月の求人解禁後は、複数の企業が訪問を希望するため、スケジュールは一杯です。

アポなしで突然訪問しても、先生は時間を取れず、「また後日連絡してください」と断られるだけです。

最悪の場合、「マナーを守れない企業」として記憶され、今後の訪問も断られる可能性があります。

不適切なタイミングでの訪問

アポを取っていても、以下のタイミングでの訪問は避けるべきです。

避けるべきタイミング:

  • 始業時間前・終業時間後
  • 昼休み(先生も休憩時間)
  • 定期試験期間中
  • 学校行事の直前・直後
  • 3月(卒業式・年度末で多忙)

適切なタイミング:

  • 平日の午後(授業が落ち着く14時〜16時頃)
  • 夏休み・冬休み期間(先生も比較的余裕がある)
  • 7月以降の求人解禁後(ただし早めにアポを取る)

大人数での訪問もNG

「会社の雰囲気を伝えたい」と考えて、4〜5名で訪問する企業がありますが、これもNGです。

進路指導室は狭い場合が多く、大人数で押しかけると先生に迷惑がかかります。

理想的な訪問人数:

  • 1〜2名が最適
  • 人事担当者1名、または人事担当者+若手社員1名

NG行動その2: 営業的・売り込み姿勢

「人材を紹介してください」という売り込み

学校訪問で最も嫌がられるのが、営業的な売り込み姿勢です。

NG例:

  • 「当社は〇〇の事業をやっているので、ぜひ人材を紹介してください」
  • 「今年は3名採用したいので、推薦をお願いします」
  • 「他社よりも給与が高いので、うちを選んでください」

このような一方的な要求は、先生にとって「自社の都合しか考えていない企業」と映ります。

求人票を置くだけの訪問

求人票を渡して「よろしくお願いします」と言うだけで帰ってしまう企業も多く見られます。

しかし、これでは先生の記憶に残らず、生徒に紹介されることもありません。

株式会社ゆめスタでは、東海3県40校との関係構築を通じて、「先生に紹介したくなる企業」のポイントを熟知しています。単なる求人票の受け渡しではなく、信頼関係を築くための継続的なコミュニケーションが重要です。

会社の自慢話ばかり

「当社は業界トップクラスです」「最新設備を導入しています」など、会社の自慢話ばかりする企業も嫌がられます。

先生が知りたいのは、「この会社は生徒を大切に育ててくれるか」「人間関係は良好か」「安心して推薦できる企業か」です。

会社の規模や設備よりも、若手社員の育成体制や職場の雰囲気を伝えることが重要です。


NG行動その3: 準備不足・一方的な説明

会社案内パンフレットを読むだけ

会社案内パンフレットを先生の前で読み上げるだけの企業があります。

これでは先生の時間を無駄にするだけで、何の印象も残りません。

パンフレットは事前に送付しておき、訪問時には「生徒にどんな成長の機会を提供できるか」「若手社員がどう活躍しているか」など、パンフレットに載っていない情報を伝えましょう。

先生の話を聞かない

一方的に説明するだけで、先生の話を聞かない企業も多く見られます。

しかし、学校訪問の目的は「先生との信頼関係を築くこと」です。

先生が「今年の生徒はこんな特徴があります」「こういう企業を探しています」と話してくれたら、それは大きなヒントです。

先生の話を丁寧に聞き、「どんな生徒を送り出したいか」「どんな企業を求めているか」を理解しましょう。

OB・OG情報の準備不足

「御校の卒業生は何名在籍していますか?」と先生に聞いてしまう企業があります。

これは完全に準備不足です。

訪問前に、自社に在籍する高卒社員を調べ、「御校の卒業生である〇〇さんが、現在こんな活躍をしています」と具体的に伝えられるように準備しましょう。


その他の注意すべきNG行動

1年目社員を連れて行く

「若手社員の話を聞いてもらおう」と考えて、入社1年目の社員を連れて行く企業があります。

しかし、1年目社員はまだ社会人として十分に成長しておらず、不適切な発言や態度をとってしまうリスクがあります。

訪問に同行させるなら、入社3年目以上の社員が適切です。

手土産を持っていく

「手土産を持っていった方が良いのでは?」と考える企業も多いですが、基本的に学校は手土産を受け取りません。

公教育機関として、企業からの贈り物を受け取らないルールがあるためです。

手土産を持っていくと、かえって先生を困らせてしまいます。

OB・OG訪問を求人解禁期間中に実施

7月以降の求人解禁期間中に、「OB・OG訪問」として若手社員を学校に派遣するのはNGです。

この期間は採用活動として認識され、一者二社制のルールに抵触する可能性があります。

OB・OG訪問は、求人解禁前(4月〜6月)に「近況報告」として実施しましょう。


先生に信頼される正しいアプローチ

アプローチ1: 事前にアポを取り、訪問目的を明確にする

電話またはメールで事前にアポを取り、訪問の目的を明確に伝えましょう。

アポ取りの例: 「お世話になっております。株式会社〇〇の人事担当の△△と申します。弊社の会社概要と若手社員の育成体制についてご説明させていただきたく、30分ほどお時間をいただけないでしょうか。ご都合の良い日時を教えていただけますと幸いです。」

アプローチ2: 「生徒の成長」を第一に考える姿勢を示す

先生が最も重視するのは、「この企業は生徒を大切に育ててくれるか」です。

会社の自慢話ではなく、以下の点を具体的に伝えましょう。

  • 入社1年目の教育プログラム
  • OJT制度やメンター制度
  • 若手社員の成長事例
  • 離職率や定着率のデータ
  • 資格取得支援制度

アプローチ3: 継続的な訪問で関係を築く

1回の訪問で採用につながることはほとんどありません。

年に2〜3回の定期訪問を通じて、先生との信頼関係を築きましょう。

訪問のタイミング例:

  • 4月〜6月: 会社紹介、OB・OG近況報告
  • 7月〜8月: 求人票提出、職場見学の案内
  • 11月〜12月: 採用実績の報告、来年度の相談

アプローチ4: 先生の負担を減らす配慮

先生は多忙な中で時間を割いてくれています。

以下の配慮を忘れずに。

  • 訪問時間は30分以内に抑える
  • 資料は事前に送付しておく
  • 質問があれば事前にまとめておく
  • 先生のスケジュールに合わせて柔軟に対応する

学校訪問成功のための5つのチェックリスト

学校訪問前に、以下のチェックリストを確認しましょう。

訪問前のチェックリスト

  • 事前にアポを取った
  • 訪問目的を明確にした
  • 自社のOB・OG情報を調べた
  • 会社案内パンフレットを事前送付した
  • 名刺を十分に用意した
  • スーツ(ジャケット着用)で訪問する
  • 訪問人数は1〜2名に抑えた
  • 手土産は持っていかない
  • 若手社員の成長事例を準備した
  • 先生の話を聞く姿勢を持つ

まとめ

重要ポイント

  • 学校訪問で最も避けるべきは「アポなし訪問」「営業的な売り込み」「準備不足」の3つ
  • 先生は「営業される相手」ではなく、「生徒の未来を考えるパートナー」
  • 1名採用するために平均8校の訪問が必要(継続的な関係構築が重要)
  • 大人数での訪問、1年目社員の同行、手土産は避ける
  • 先生との信頼関係を築くには、生徒の成長を第一に考える姿勢が必要

次にすべきこと

  1. 自社の学校訪問の進め方を見直す
  2. 訪問前のチェックリストを作成する
  3. OB・OG情報を整理する
  4. 若手社員の成長事例をまとめる
  5. 年間の学校訪問計画を立てる

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よくある質問

この記事に関連するよくある質問

はい、絶対にNGです。進路指導の先生は授業、部活動指導、他企業との面談、進路相談など非常に多忙なスケジュールで動いています。特に7月の求人解禁後は複数の企業が訪問を希望するためスケジュールは一杯です。アポなしで突然訪問しても先生は時間を取れず、最悪の場合「マナーを守れない企業」として記憶され、今後の訪問も断られる可能性があります。必ず事前に電話またはメールでアポを取りましょう。

平日の午後(14時〜16時頃)、夏休み・冬休み期間が適切です。避けるべきタイミングは、始業時間前・終業時間後、昼休み、定期試験期間中、学校行事の直前・直後、3月(卒業式・年度末で多忙)です。訪問人数は1〜2名が最適で、人事担当者1名、または人事担当者+若手社員1名が理想的です。大人数での訪問は進路指導室が狭い場合が多いため避けるべきです。

学校の進路指導の先生は「営業される相手」ではなく、「生徒の未来を真剣に考えるパートナー」だからです。「当社は○○の事業をやっているので、ぜひ人材を紹介してください」「今年は3名採用したいので、推薦をお願いします」といった一方的な要求は、先生にとって「自社の都合しか考えていない企業」と映ります。先生が知りたいのは「この会社は生徒を大切に育ててくれるか」です。

いいえ、基本的に学校は手土産を受け取りません。公教育機関として、企業からの贈り物を受け取らないルールがあるためです。手土産を持っていくと、かえって先生を困らせてしまいます。手土産ではなく、会社案内パンフレットや若手社員の成長事例といった有益な情報を準備して訪問しましょう。

継続的な訪問で先生との信頼関係を築くことです。1回の訪問で採用につながることはほとんどなく、統計によると1名を採用するために平均8校の学校訪問が必要とされています。年に2〜3回の定期訪問(4月〜6月に会社紹介・OB/OG近況報告、7月〜8月に求人票提出・職場見学案内、11月〜12月に採用実績報告・来年度相談)を通じて、先生との信頼関係を築くことが重要です。

タグ

高卒採用学校訪問マナーNG行動信頼構築