学校連携・一者二社制

学校訪問の正しいやり方|進路指導室で話すべき3つのポイント

著者: 株式会社ゆめスタ
学校訪問の正しいやり方|進路指導室で話すべき3つのポイント

「学校訪問したいけど、どうやってアポイントを取ればいいのか分からない」「進路指導室で何を話せばいいのか不安」そんな悩みを抱えていませんか?

高卒採用において、学校訪問は採用成功の絶対条件です。しかし、初めて学校訪問をする企業の多くが、適切なアプローチ方法や訪問のタイミングが分からず、効果的な訪問ができていません。

実際に、求人票を送るだけで学校訪問をしない企業は、ほとんど応募を獲得できていないというデータもあります。一方、正しい方法で学校訪問を続けている企業は、安定的に推薦を獲得し、採用に成功しています。

この記事では、学校訪問の正しいやり方、アポイントの取り方、進路指導室で話すべき3つのポイントを具体的に解説します。

この記事で分かること

  • 学校訪問のアポイントの正しい取り方
  • 訪問に最適な時期とタイミング
  • 準備すべき資料と持ち物
  • 進路指導室で話すべき3つのポイント
  • 学校訪問で絶対にやってはいけないNG行動

読了時間: 約7分


目次

  1. 学校訪問が高卒採用成功のカギである理由
  2. 学校訪問のアポイントの取り方
  3. 訪問に最適な時期とタイミング
  4. 訪問前に準備すべきもの
  5. 進路指導室で話すべき3つのポイント
  6. 学校訪問で絶対にやってはいけないNG行動
  7. まとめ

学校訪問が高卒採用成功のカギである理由

求人票だけでは採用できない

高卒採用と大卒採用の決定的な違いは、学校推薦の有無です。

一者二社制のもとでは、進路指導の先生が信頼する企業にしか生徒を推薦しません。つまり、求人票をハローワーク経由で送っただけでは、ほとんど応募は来ないのです。

先生が推薦する判断基準:

  • 企業の担当者と直接会って話したことがある
  • 企業の事業内容や職場環境を理解している
  • 過去に卒業生を送り出して問題がなかった
  • 継続的に学校を訪問している

つまり、顔の見える関係を築くことが、推薦獲得の絶対条件です。

学校訪問で得られる3つのメリット

学校訪問を継続することで、以下のメリットが得られます:

メリット①: 信頼関係の構築 進路指導の先生との信頼関係が深まり、推薦をもらいやすくなります。

メリット②: 学校の情報収集 どんな生徒がいるのか、学校の就職状況はどうか、先生は何を重視しているかなど、貴重な情報が得られます。

メリット③: 自社の認知度向上 定期的に訪問することで、先生の記憶に残り、「そういえばあの会社」と思い出してもらえます。


学校訪問のアポイントの取り方

誰に連絡すべきか?

学校訪問のアポイントは、**「進路指導部長」または「進路指導主事」**に取ります。

電話での対応例:

「お世話になります。○○株式会社の△△と申します。御校の卒業生の採用を検討しており、進路指導のご担当者様にご挨拶に伺いたいのですが、進路指導部長様もしくは進路指導主事様はいらっしゃいますでしょうか?」

受付や事務の方が電話に出ることが多いので、丁寧に担当者への取次ぎをお願いしましょう。

電話をかけるベストタイミング

高校の先生は授業や会議で多忙です。電話をかける時間帯を考慮することが重要です。

電話をかけるべき時間帯:

  • 10:00〜11:00(午前中の授業の合間)
  • 14:00〜15:00(午後の授業の合間)

避けるべき時間帯:

  • 8:00〜9:30(朝のホームルーム、1限目の授業)
  • 12:00〜13:00(昼休み・昼食時間)
  • 16:00以降(部活動指導や会議の時間)

全日制高校の活動時間は9:30〜16:00頃が目安です。

アポイント取得の電話トーク例

ステップ1: 自己紹介と目的の説明

「お世話になります。愛知県〇〇市で製造業を営んでおります、△△株式会社の人事担当の□□と申します。

この度、御校の卒業生の採用を検討しており、進路指導のご担当者様にご挨拶と会社説明をさせていただきたく、ご連絡いたしました。」

ステップ2: 訪問日時の調整

「お忙しいところ恐れ入りますが、30分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか?

来週の〇曜日の午後、または再来週の△曜日の午前中はいかがでしょうか?ご都合の良い日時をお教えいただければ、そちらに合わせてお伺いいたします。」

ステップ3: 訪問内容の確認

「当日は、会社案内と求人票をお持ちし、弊社の事業内容や採用について15分ほどご説明させていただき、その後、御校の就職状況などについてお聞かせいただければと思っております。」

ポイント:

  • 簡潔に用件を伝える(長々と話さない)
  • 相手の都合を最優先する
  • 訪問時間は30分程度と短めに設定
  • 具体的な日時の候補を提示する

訪問に最適な時期とタイミング

高卒採用の年間スケジュールを理解する

学校訪問のタイミングは、高卒採用のスケジュールに合わせることが重要です。

3月〜5月: 関係構築期

  • 目的: 学校との初回接触、情報収集
  • 内容: 会社紹介、学校の就職状況のヒアリング
  • ポイント: 採用を急がず、まずは認知してもらうことが目的

6月: 準備期

  • 目的: 求人票の内容確認、最終調整
  • 内容: 7月の求人票提出に向けた準備
  • ポイント: 6月初旬には連絡を取り始める

7月前半: 最重要期

  • 目的: 求人票の提出と説明
  • 内容: 求人内容の詳細説明、職場見学の案内
  • ポイント: 7月1日の求人解禁直後は必ず訪問する

7月後半〜9月: 選考期

  • 目的: 応募者対応、職場見学受け入れ
  • 内容: 生徒の紹介、選考日程の調整
  • ポイント: 迅速な対応と丁寧なフォロー

10月〜2月: フォローアップ期

  • 目的: 採用結果の報告、来年度への布石
  • 内容: 内定者のフォロー、在校生への情報提供
  • ポイント: 採用の有無に関わらず訪問し、感謝を伝える

訪問回数の目安

信頼関係を構築するには、年に最低3〜4回の訪問が理想です。

訪問スケジュール例:

  1. 4〜5月:初回訪問(会社紹介)
  2. 7月:求人票提出・説明
  3. 9月:選考状況の報告
  4. 11月〜1月:採用結果の報告、翌年度の相談

訪問前に準備すべきもの

必須の持ち物リスト

学校訪問時には、以下のものを準備しましょう。

1. 会社案内・パンフレット

  • 事業内容が分かりやすい資料
  • 写真やイラストが豊富なもの
  • A4サイズで10ページ以内が理想

2. 求人票(7月以降)

  • ハローワーク提出用のコピー
  • 労働条件が明確に記載されたもの

3. 名刺

  • 経営者と人事担当者の両方
  • 連絡先(メール、電話)が記載されている

4. 自社製品・サンプル(可能であれば)

  • 何を作っている会社か一目で分かる
  • 生徒の興味を引く効果がある

5. 採用動画・求人サイト(あれば)

  • タブレットやスマホで見せられるもの
  • 若手社員のインタビュー動画など

6. 手土産(必須ではないが好印象)

  • 地元の銘菓など
  • 高価すぎないもの(1,000〜2,000円程度)

訪問時の服装

経営者・人事担当者ともにスーツが基本です。

製造業であっても、学校訪問時はビジネススーツで訪問しましょう。清潔感と誠実さが重要です。


進路指導室で話すべき3つのポイント

進路指導室での面談時間は30分程度が目安です。限られた時間の中で、以下の3つのポイントを確実に伝えましょう。

ポイント①: 自社の事業内容と魅力

話すべき内容:

  • 何を作っている会社か(事業内容)
  • どんな強みがあるか(技術力、シェア、取引先など)
  • どんな社風か(アットホーム、技術重視など)
  • 若手社員の活躍事例(入社3年目でリーダーになったなど)

話し方のコツ:

専門用語を避け、高校生にも分かりやすい言葉で説明します。

NG例: 「当社はBtoB向けの精密部品加工を行っており、QCDを重視した生産管理体制を構築しています。」

OK例: 「当社は自動車の部品を作っている会社です。1000分の1ミリの精度で加工する技術があり、トヨタやホンダに部品を納めています。若い社員も多く、入社3年目でチームリーダーを任されている社員もいます。」

ポイント②: 求める人物像と育成方針

話すべき内容:

  • どんな生徒に来てほしいか(学科、適性、意欲)
  • 未経験者をどう育てるか(研修制度、OJT体制)
  • 資格取得支援(会社が費用負担する資格など)
  • キャリアパス(5年後、10年後のイメージ)

具体例を示す:

「昨年採用した〇〇工業高校の△△さんは、入社時は全くの未経験でしたが、先輩社員のマンツーマン指導で、半年後には一人で作業ができるようになりました。現在は旋盤2級の資格取得に挑戦しています。」

このように、過去の卒業生の成長事例を具体的に伝えることで、先生は安心して推薦できます。

ポイント③: 継続的な関係構築の意思

話すべき内容:

  • 今後も定期的に訪問したいという意思表示
  • インターンシップの受け入れも検討している
  • 卒業生の近況報告を定期的に行いたい
  • 学校の行事や職業講話への協力も可能

伝え方の例:

「今回が初めての訪問となりますが、今後も定期的にお伺いし、御校との長期的な関係を築いていきたいと考えております。また、インターンシップの受け入れも積極的に検討しておりますので、ご相談いただければ幸いです。」

株式会社ゆめスタが運営するゆめアカでは、東海3県40校との長期的なネットワークを構築しており、継続的な学校訪問と信頼関係の構築が採用成功の鍵となっています。


学校訪問で絶対にやってはいけないNG行動

NG①: アポなし訪問

「近くに来たのでついでに寄りました」という突然の訪問は、先生の業務を妨げる迷惑行為です。

必ず事前にアポイントを取りましょう。

NG②: 長時間の滞在

予定時間を大幅に超えて話し込むのはNGです。

「30分程度」と伝えたら、必ず30分以内に退出しましょう。もし先生が「もっと詳しく聞かせてください」と言った場合のみ、延長しても構いません。

NG③: 一方的な営業トーク

「とにかく生徒を紹介してください」という押しの強い営業は嫌われます。

まずは自社を知ってもらい、学校のことを理解することが優先です。

NG④: 他社の批判

「〇〇社は離職率が高いそうですね」といった他社の批判は、先生からの信頼を失います。

自社の強みを伝えることに専念しましょう。

NG⑤: 約束を守らない

「後日、詳しい資料を送ります」と言ったのに送らない、「また訪問します」と言ったのに来ない、などは最悪です。

小さな約束でも必ず守ることが、信頼構築の基本です。

NG⑥: 求人票と実態が違う

これは最も致命的なNGです。

求人票に書かれた労働条件と実際の職場環境が異なると、生徒が早期離職し、学校からの信頼は完全に失われます。

求人票は正直に書くことが鉄則です。


まとめ

重要ポイント

  • 学校訪問は高卒採用の絶対条件:求人票を送るだけでは応募は来ない
  • アポイントは進路指導部長/進路指導主事に取る:電話は10:00〜11:00が狙い目
  • 訪問時期は7月前半が最重要:求人解禁直後は必ず訪問する
  • 年に3〜4回の訪問が理想:継続的な関係構築が信頼につながる
  • 進路指導室で話すべき3つのポイント:事業内容と魅力、求める人物像と育成方針、継続的な関係構築の意思
  • NG行動を避ける:アポなし訪問、長時間滞在、一方的な営業、約束を守らない、求人票と実態の乖離

次にすべきこと

  1. 訪問したい学校をリストアップする(5〜10校)
  2. 6月初旬にアポイントの電話をかける(7月訪問に向けて)
  3. 会社案内、求人票、名刺を準備する
  4. 訪問時に話す内容をシミュレーションする(30分以内にまとめる)
  5. 7月前半に必ず訪問し、求人票を直接手渡す

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進路指導室に電話でアポイントを取ります。「高卒求人を検討している企業です。進路指導のご担当の先生にお話を伺いたい」と伝えます。訪問希望日を複数提示し、先生の都合に合わせます。アポなし訪問は避け、必ず事前に連絡しましょう。

7月~8月、10月~11月、2月~3月が適しています。7月は求人票公開直後で採用活動開始時期、10月~11月は次年度に向けた関係構築、2月~3月は来年度の準備期間です。試験期間や行事の多い時期は避け、進路指導の先生が比較的時間を取りやすい時期を選びましょう。

15~30分程度が目安です。進路指導の先生は非常に多忙なため、要点を絞って簡潔に伝えることが重要です。長時間の訪問は避け、必要な情報を効率的に伝えます。時間を超過しそうな場合は、先生に確認してから続けましょう。

求人票(複数部)、会社案内パンフレット、名刺、過去の卒業生の近況報告資料(入社実績がある場合)、職場見学の案内資料を持参します。手ぶらで訪問するのは避け、先生が生徒に説明しやすい資料を用意しましょう。

①自社の事業内容と特徴(何をしている会社か、強みは何か)、②求める人物像と育成体制(どんな高校生を求めているか、どう育てるか)、③職場見学の受け入れ(いつでも見学できることをアピール)です。一方的に話すのではなく、先生の話もよく聞くことが信頼関係構築のポイントです。

継続的に訪問することです。1回だけの訪問では信頼関係は築けません。年2~3回(最低年3回)定期的に訪問し、先生との関係を深めることが重要です。学校との信頼関係構築には通常3年以上かかりますが、継続することで必ず推薦をもらえるようになります。

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