高卒採用の基礎知識

高卒採用スケジュール完全ガイド|7月〜9月の動き方

著者: 株式会社ゆめスタ
高卒採用スケジュール完全ガイド|7月〜9月の動き方

「高卒採用のスケジュールがよく分からない」「7月から9月は具体的に何をすればいいの?」そんな疑問を抱えていませんか?

高卒採用には厳格なスケジュールが定められており、特に7月から9月の3ヶ月間は、採用成功の命運を分ける重要な期間です。この時期に適切な行動を取れるかどうかで、採用の成否が決まります。

しかし、多くの中小企業が「何をいつまでにやるべきか」を正確に理解しておらず、タイミングを逃して応募ゼロに終わってしまうケースが後を絶ちません。

この記事では、高卒採用の年間スケジュール全体を概観した上で、最も重要な7月〜9月の動き方を月別に詳しく解説します。

この記事で分かること

  • 高卒採用の年間スケジュール全体像
  • 7月にすべきこと(求人票公開・学校訪問)
  • 8月にすべきこと(職場見学・選考準備)
  • 9月にすべきこと(応募受付・選考開始)
  • 月別の具体的なチェックリスト

読了時間: 約6分


目次

  1. 高卒採用の年間スケジュール全体像
  2. 7月の動き方|求人票公開と学校訪問の開始
  3. 8月の動き方|職場見学と最終準備
  4. 9月の動き方|応募受付と選考開始
  5. 月別チェックリスト
  6. まとめ

高卒採用の年間スケジュール全体像

厚生労働省が定める統一スケジュール

高卒採用のスケジュールは、全国高等学校長協会、主要経済団体、文部科学省、厚生労働省の協議により、全国統一で定められています。

このスケジュールに沿って採用活動を行わないと、ルール違反となり、学校からの信頼を失う可能性があります。

2025年3月卒の主要日程

1月〜3月: 前年度の振り返り、次年度計画策定 4月〜5月: ハローワーク説明会、求人票準備 6月1日: ハローワーク求人受付開始 7月1日: 求人情報公開、学校訪問開始 7月〜8月: 応募前職場見学、学校との関係構築 9月5日: 応募書類提出開始(沖縄県は8月30日) 9月16日: 選考開始、内定開始 9月下旬〜11月中旬: 二次募集期間

なぜ7月〜9月が重要なのか

7月から9月の3ヶ月間は、高校生が企業を知り、応募先を決定する時期です。

この期間に高校生や進路指導の先生と接点を持てなかった企業は、9月の選考開始時点で「候補にも上がらない」状態となります。

株式会社ゆめスタが運営するゆめアカで支援した企業のデータでは、7月〜8月に学校訪問と職場見学を実施した企業の採用成功率は、実施しなかった企業の約8倍という結果が出ています。

2026年3月卒も同じスケジュール

厚生労働省の発表により、2026年3月卒のスケジュールも2025年3月卒と同じとなることが決定しています。

このスケジュールは当面変更される予定はなく、今後も同様の日程で推移する見込みです。


7月の動き方|求人票公開と学校訪問の開始

7月1日: 採用活動の「スタートの日」

7月1日は、高卒採用における「スタートの日」です。この日から、企業は正式に高校生や進路指導の先生と接触できるようになります。

7月1日以降に解禁されること:

  • 求人票を学校に提出できる
  • 学校を訪問して先生と面談できる
  • 高校生に会社説明ができる
  • 職場見学の受け入れができる

7月1日より前にこれらの活動を行うことは、ルール違反となります。

7月前半: 学校訪問の開始(最重要)

7月1日から、学校訪問を開始します。この学校訪問が、高卒採用の成否を決める最重要活動です。

訪問時の持ち物:

  • 求人票(複数部)
  • 会社案内パンフレット
  • 名刺
  • 過去の卒業生の近況報告資料
  • 職場見学の案内資料

訪問時に話すこと:

  1. 会社の事業内容と特徴
  2. 求める人物像
  3. 若手社員の成長事例
  4. 職場見学の受け入れ日程
  5. 過去の卒業生の活躍状況

訪問時間は15〜30分程度。進路指導の先生は非常に多忙なため、要点を絞って簡潔に伝えることが重要です。

7月中旬: 職場見学の申し込み対応

7月に入ると、高校から職場見学の申し込みが入り始めます。

職場見学は、高校生が実際に会社を見て、働く環境を確認する重要な機会です。多くの高校生が、職場見学の印象で応募先を決定します。

職場見学の準備:

  • 見学ルートの設定
  • 説明担当者の決定
  • 質問への回答準備
  • 若手社員との交流時間の確保
  • 安全対策の確認

職場見学では選考を行うことは禁止されています。あくまで「会社を知ってもらう」ことが目的です。

7月下旬: 学校との関係強化

7月下旬は、学校との関係をさらに強化する時期です。

関係強化のポイント:

  • 職場見学後の感想を先生に報告
  • 複数回の学校訪問(月2回程度)
  • 学校主催の企業説明会への参加
  • インターンシップ受け入れの意向を伝える

この時期の丁寧なコミュニケーションが、9月の応募につながります。


8月の動き方|職場見学と最終準備

8月: 職場見学のピーク

8月は夏休み期間のため、職場見学の申し込みがピークを迎えます。

高校生は学業に支障の出ない期間に職場見学を行う必要があるため、夏休み期間である8月に集中します。

8月の職場見学対応で重要なこと:

  1. 可能な限り多くの日程を設定する
  2. 1日複数組の受け入れも検討する
  3. 毎回同じ品質の対応を維持する
  4. 若手社員との交流時間を必ず設ける
  5. 安全第一で対応する

職場見学を丁寧に行うことで、高校生からの評価が高まり、「ここで働きたい」と思ってもらえる確率が大きく上がります。

職場見学での5つの成功ポイント

ポイント1: 社長や経営陣が直接話す

高校生は「どんな社長か」「どんな人が経営しているか」を非常に気にします。可能であれば、社長や経営陣が直接話す時間を設けましょう。

ポイント2: 若手社員との交流

「先輩はどんな人か」「優しく教えてくれそうか」は、高校生が最も知りたい情報です。若手社員(入社1〜3年目)と自由に話せる時間を必ず設けます。

ポイント3: 実際の仕事を見せる

会議室での説明だけでなく、実際の現場で仕事をしている様子を見せることが重要です。製造業であれば工場、オフィスワークであれば執務室を案内します。

ポイント4: 質問しやすい雰囲気づくり

高校生は緊張して質問できないことが多いため、「何でも聞いてね」と声をかけ、こちらから質問を促します。

ポイント5: 見学後のフォローアップ

見学後、学校の先生に「〇〇さんは良い印象でした」と報告することで、先生からの評価も高まります。

8月下旬: 選考準備

8月下旬は、9月の選考開始に向けた準備を進めます。

選考準備のチェックリスト:

  • 選考基準の明確化
  • 面接官の選定とトレーニング
  • 面接会場の確保
  • 適性検査の準備(使用する場合)
  • 選考スケジュールの調整
  • 応募書類の受付体制の整備

高卒採用では、書類選考のみで合否を決定することは禁止されており、必ず面接や適性検査などを実施して総合的に判断する必要があります。


9月の動き方|応募受付と選考開始

9月5日: 応募書類提出開始

9月5日(沖縄県は8月30日)から、企業への応募書類提出が開始されます。

高校生は学校を通じて応募するため、応募書類は学校経由で企業に届きます。直接高校生から応募書類を受け取ることはありません。

応募書類を受け取ったら:

  1. 受領確認を学校に速やかに連絡
  2. 応募者の情報を選考担当者に共有
  3. 選考日程を学校と調整
  4. 選考の詳細を応募者(学校経由)に通知

9月16日: 選考開始

9月16日から、正式に選考を開始できます。この日以降に面接を実施し、合否を決定します。

選考時の注意点:

一人一社制の尊重

多くの都道府県で、9月の第一次選考期間中は「一人一社制」が採用されています。これは、高校生が1社ずつ順番に応募する仕組みです。

そのため、応募してきた高校生は「第一志望として貴社を選んだ」ということを意識して、丁寧に対応する必要があります。

選考結果の迅速な通知

選考結果は、できるだけ早く(遅くとも選考後1週間以内)学校に通知します。高校生は結果を待つ間、非常に不安な気持ちでいることを理解しましょう。

内定後の丁寧なフォロー

内定を出した後も、入社までの間、定期的に連絡を取り、不安を解消することが重要です。

内定後のフォロー例:

  • 月1回程度の面談(本人と保護者)
  • 会社行事への招待
  • 先輩社員との交流機会の提供
  • 入社前研修の実施

9月下旬〜: 二次募集への対応

9月16日からの第一次選考で採用できなかった場合、9月下旬から始まる二次募集に対応します。

二次募集期間は9月下旬〜11月中旬です。この期間は、第一次選考で内定を得られなかった高校生や、当初就職を希望していなかった高校生が応募してきます。

二次募集でも、学校訪問と丁寧な対応が重要です。


月別チェックリスト

7月のチェックリスト

7月1日〜7日:

  • 求人票を持って学校訪問開始
  • 進路指導の先生に会社と自分を知ってもらう
  • 職場見学の受け入れ日程を伝える
  • 会社案内資料を学校に配布

7月8日〜15日:

  • 職場見学の申し込み対応開始
  • 見学ルートと説明内容の最終確認
  • 若手社員への事前説明
  • 安全対策の再確認

7月16日〜31日:

  • 職場見学の実施
  • 見学後の感想を学校に報告
  • 複数回の学校訪問(関係強化)
  • 学校主催イベントへの参加

8月のチェックリスト

8月1日〜15日:

  • 職場見学のピーク対応
  • 可能な限り多くの高校生を受け入れ
  • 毎回同じ品質の対応を維持
  • 見学後のフォローアップ

8月16日〜31日:

  • 選考基準の明確化
  • 面接官の選定とトレーニング
  • 面接会場の確保
  • 応募書類受付体制の整備
  • 最終の学校訪問

9月のチェックリスト

9月1日〜5日:

  • 選考準備の最終確認
  • 応募書類の受付開始
  • 受領確認を学校に連絡

9月6日〜15日:

  • 選考日程の調整
  • 選考の詳細を学校経由で応募者に通知
  • 面接準備の最終確認

9月16日〜30日:

  • 選考開始
  • 面接実施
  • 選考結果を迅速に学校に通知
  • 内定者フォローの開始

まとめ

重要ポイント

  • 高卒採用の7月〜9月は採用成功の命運を分ける重要な3ヶ月
  • 7月1日から学校訪問と職場見学が解禁
  • 8月は職場見学のピーク、丁寧な対応が応募につながる
  • 9月5日応募開始、9月16日選考開始
  • 月別のチェックリストに沿って確実に実行する

次にすべきこと

  1. 年間スケジュールを社内で共有する: 採用担当者だけでなく、経営陣や現場も理解
  2. 7月1日に向けた準備を今から始める: 学校リストアップ、求人票準備、訪問計画
  3. 職場見学の受け入れ体制を整える: 見学ルート、説明担当者、若手社員の協力体制
  4. 選考基準を明確にしておく: どんな高校生を採用したいのか、社内で合意形成
  5. 専門家に相談する: 初めての高卒採用では、実績ある支援サービスを活用

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高卒採用のスケジュールは複雑で、1つでもタイミングを逃すと採用ゼロに終わる可能性があります。特に初めて高卒採用に取り組む企業にとって、すべてを完璧にこなすのは非常に困難です。

ゆめアカでは、東海3県40校とのネットワークを活かし、学校訪問から職場見学、選考まで、採用のすべての段階でサポートします。7月〜9月の重要な時期に、何をすべきか具体的にアドバイスし、一緒に実行します。

2025年度に14名の採用実績を達成した企業の中には、初めて高卒採用に取り組み、4名採用に成功した企業もあります。実績ある専門家のサポートで、採用成功の確率を大きく高めることができます。

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求人票は6月1日からハローワークで受付が始まるため、4月~5月に準備を完了させる必要があります。この時期にハローワークの説明会に参加し、求人票の記入方法を確認しましょう。7月1日の求人情報公開に間に合わせることが重要です。

7月1日より前に学校を訪問して高校生と接触することは、高卒採用のルール違反となります。7月1日以降に解禁される活動は、求人票の学校提出、学校訪問、高校生への会社説明、職場見学の受け入れです。ルールを守らないと学校からの信頼を失います。

職場見学は8月がピークです。夏休み期間のため高校生が学業に支障なく参加できるからです。7月下旬から申し込みが始まり、8月に集中します。この時期に可能な限り多くの日程を設定し、丁寧に対応することが9月の応募につながります。

9月5日は応募書類の提出開始日(沖縄県のみ8月30日)で、高校生が学校を通じて企業に応募書類を提出できる日です。9月16日は選考開始日で、この日以降に企業が面接を実施して合否を決定できます。9月5日から15日までの期間は書類受付と選考準備の期間です。

高卒採用では原則として面接1回での選考が基本です。高校生の学業への配慮と、一人一社制のルールにより、選考プロセスは簡潔にすることが求められます。ただし、適性検査を併用することは可能です。書類選考のみで合否を決定することは禁止されています。

9月下旬から始まる二次募集に対応します。二次募集期間は9月下旬~11月中旬で、第一次選考で内定を得られなかった高校生や、当初就職を希望していなかった高校生が応募してきます。二次募集でも学校訪問と丁寧な対応が重要です。

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