「求人票を出したのに、応募が1件も来ない」「毎年採用ゼロが続いている」そんな悩みを抱えていませんか?
実際に、高卒採用市場では求人倍率4.67倍と企業間の競争が激化しており、多くの中小企業が採用に苦戦しています。しかし、採用できない企業には明確な共通点があります。
調査によると、求人票を出すだけの企業の職場見学獲得率は約1%。一方、学校訪問を実施する企業は約15%と、15倍もの差があることが分かっています。
この記事では、高卒採用で失敗する企業の5つの共通点と、採用ゼロから脱却するための具体的な方法を解説します。
この記事で分かること
- 高卒採用で失敗する企業の5つの共通点
- 採用できない本当の理由
- 求人票だけでは応募が来ない仕組み
- 採用ゼロから脱却する5つのステップ
- 学校から信頼される企業になる方法
読了時間: 約8分
目次
- なぜ高卒採用で失敗するのか
- 失敗パターン①:求人票を出すだけで終わる
- 失敗パターン②:学校訪問をしない・形だけの訪問
- 失敗パターン③:高卒採用のルールを理解していない
- 失敗パターン④:応募前職場見学の準備不足
- 失敗パターン⑤:短期的な視点での採用活動
- 採用ゼロから脱却する5つのステップ
- まとめ
なぜ高卒採用で失敗するのか
高卒採用の厳しい現実
高卒採用の求人倍率は4.67倍(2024年3月卒)と、大卒の1.7倍を大きく上回っています。これは、1人の高校生に対して約5社が競合していることを意味します。
この競争環境で、「求人票を出せば応募が来るだろう」という考えは通用しません。
採用できない企業の特徴
採用に失敗する企業には、以下の共通点があります。
失敗企業の特徴:
- 求人票を出すだけで学校訪問をしない
- 高卒採用のルールや仕組みを理解していない
- 応募前職場見学の準備ができていない
- 学校との信頼関係を築いていない
- 短期的な視点で採用活動をしている
これらの特徴に当てはまる企業は、高い確率で採用ゼロに陥ります。
成功企業との決定的な違い
一方、採用に成功している企業は以下を実践しています。
成功企業の特徴:
- 積極的に学校訪問を行う
- 高卒採用のルールを正しく理解している
- 応募前職場見学を丁寧に実施する
- 学校の先生との信頼関係がある
- 長期的な視点で学校連携を行う
この差が、採用ゼロと採用成功を分けています。
失敗パターン①:求人票を出すだけで終わる
求人票だけでは応募が来ない理由
多くの企業が陥る最大の失敗は、「ハローワークに求人票を出せば、応募が来る」と考えることです。
しかし、現実は厳しいものです。
求人票だけの企業の職場見学獲得率: 約1%
つまり、100社の求人票を見た高校生のうち、職場見学に来るのはわずか1社だけです。求人票を出すだけでは、ほぼ応募につながりません。
なぜ求人票だけでは不十分なのか
高卒採用では、大卒採用と異なる独自の仕組みがあります。
高卒採用の仕組み:
- 高校生は学校の先生から企業を紹介される(学校推薦)
- 先生が知らない・信頼していない企業は紹介されない
- 求人票だけでは企業の実態が分からない
- 高校生は自分で企業を探さない
つまり、学校の先生に知ってもらい、信頼されなければ、応募は来ないのです。
求人票の限界
求人票には企業の魅力を十分に伝えるスペースがありません。
求人票に書けないこと:
- 職場の雰囲気
- 若手社員の様子
- 具体的な仕事のやりがい
- 成長できる環境
- 先輩社員の人柄
これらの情報は、学校訪問や応募前職場見学を通じて伝える必要があります。
失敗パターン②:学校訪問をしない・形だけの訪問
学校訪問の重要性
学校訪問を実施する企業の職場見学獲得率は約15%と、求人票だけの企業(1%)の15倍です。
学校訪問は、高卒採用成功の最重要ステップです。
学校訪問をしない企業の末路
学校訪問をしない企業は、以下の悪循環に陥ります。
悪循環:
- 学校の先生が企業を知らない
- 先生が生徒に企業を紹介しない
- 職場見学の希望が来ない
- 応募が来ない
- 採用ゼロ
この悪循環を断ち切るには、学校訪問が不可欠です。
形だけの学校訪問も失敗する
学校訪問をしても、以下のような「形だけの訪問」では効果がありません。
NG訪問例:
- 求人票を渡すだけで帰る
- 進路指導室で5分話して終わり
- 先生の名前を覚えていない
- 年に1回しか訪問しない
- 一方的に話して先生の話を聞かない
このような訪問では、先生の記憶に残らず、信頼も得られません。
効果的な学校訪問のポイント
学校訪問を成功させるには、以下がポイントです。
効果的な訪問のポイント:
- 年に複数回訪問する(最低3回)
- 進路指導の先生と関係を築く
- 自社の魅力を分かりやすく伝える
- 先生の話をよく聞く
- 卒業生の近況を報告する(入社実績がある場合)
株式会社ゆめスタが運営するゆめアカでは、東海3県40校との強固なネットワークを活かし、企業と学校をつなぐサポートを行っています。2025年度には14名の採用実績を達成しました。
失敗パターン③:高卒採用のルールを理解していない
高卒採用の独自ルール
高卒採用には、大卒採用にはない独自のルールがあります。このルールを理解していないと、採用活動自体が成り立ちません。
知らないと失敗する3つのルール
ルール①: 一者二社制
高校生は、同時に応募できる企業数が最大2社に制限されています(一部地域では1社のみ)。
つまり、生徒は慎重に応募先を選ぶため、応募前に職場を見学して判断したいと考えます。職場見学の受け入れ体制がない企業は、選択肢から外されます。
ルール②: 学校推薦
高校生は、学校の先生の推薦を受けて企業に応募します。先生が「この生徒にはこの会社が合う」と判断し、企業を紹介します。
つまり、先生に信頼されていない企業は、推薦してもらえないのです。
ルール③: 厳格なスケジュール
高卒採用には、厚生労働省が定めた厳格なスケジュールがあります。
| 時期 | 企業の動き |
|---|---|
| 6月1日 | 求人票公開開始 |
| 7月1日 | 求人申込受付開始 |
| 7月末~8月末 | 応募前職場見学 |
| 9月5日 | 応募書類受付開始 |
| 9月16日以降 | 選考開始 |
このスケジュールを守らない企業、把握していない企業は、採用のチャンスを逃します。
ルール違反の代償
高卒採用のルールに違反すると、以下のペナルティがあります。
ペナルティ:
- ハローワークから行政指導を受ける
- 学校からの信頼を失う
- 次年度以降の推薦を受けられなくなる
- 求人票の受理を拒否される可能性
ルールを正しく理解し、遵守することが採用成功の前提です。
失敗パターン④:応募前職場見学の準備不足
応募前職場見学の重要性
応募前職場見学は、高校生が応募先を決める最後の判断材料です。職場見学から応募につながる割合は約50%と言われています。
つまり、職場見学の対応次第で、採用成否が決まるのです。
準備不足の職場見学は逆効果
準備不足のまま職場見学を受け入れると、かえって悪い印象を与えます。
準備不足の例:
- 案内担当者が決まっていない
- 職場が清掃されていない
- 会社説明の資料がない
- 質問に答えられない
- 若手社員との交流機会がない
このような対応では、高校生は「この会社で働きたくない」と感じてしまいます。
応募につながる職場見学のポイント
職場見学を成功させるには、以下の準備が必要です。
準備すべきこと:
-
見学プログラムの作成(約1時間)
- 会社説明
- 職場見学
- 若手社員との対話
- 質疑応答
-
職場の5S徹底
- 整理・整頓・清掃・清潔・躾
- 安全な見学ルートの確保
-
若手社員の協力
- 高卒入社の先輩社員に対話を依頼
- 生徒が質問しやすい雰囲気づくり
-
質問対応の準備
- よくある質問の回答を用意
- 答えられない質問は後日回答
これらの準備をすることで、職場見学から応募へつながる確率が大幅に高まります。
失敗パターン⑤:短期的な視点での採用活動
「今年だけ」では採用できない
高卒採用で最も多い失敗が、「今年だけ採用したい」という短期的な視点です。
実際には、学校との信頼関係構築には3年かかると言われています。
なぜ3年かかるのか
学校の先生が企業を信頼し、生徒を推薦するには、以下のプロセスが必要です。
年次別の関係構築:
1年目:
- 学校訪問を開始
- 先生に企業を知ってもらう
- 求人票を受け取ってもらう
- → まだ推薦はもらえない
2年目:
- 継続的に訪問する
- 職場見学を実施する
- 先生との関係を深める
- → 1~2名の推薦がもらえる可能性
3年目:
- 卒業生の活躍を報告する
- 先生の信頼を得る
- 安定的に推薦をもらえる
- → 複数名の採用が可能に
このように、長期的な視点で学校と関係を築くことが必要です。
単年で諦める企業の末路
「1年やってダメだったから、高卒採用はやめよう」と諦める企業は、永遠に採用ゼロのままです。
高卒採用は、継続的な学校連携が成功の鍵です。
長期視点の投資価値
一度学校との信頼関係を築けば、以下のメリットがあります。
長期的なメリット:
- 毎年安定的に採用できる
- 優秀な生徒を優先的に紹介してもらえる
- 学校から「この企業なら安心」と評価される
- インターンシップ受け入れ校として連携強化
長期的な視点で投資することが、採用成功への近道です。
採用ゼロから脱却する5つのステップ
ここまで失敗パターンを見てきましたが、ここからは採用ゼロから脱却するための具体的なステップを紹介します。
ステップ1: 高卒採用のルールを正しく理解する
まず、高卒採用の基本ルールを学びましょう。
学ぶべきこと:
- 一者二社制の仕組み
- 学校推薦の重要性
- 採用スケジュール
- 応募前職場見学のルール
- 事前選考禁止の規定
ルールを理解することが、全ての基礎です。
ステップ2: 学校訪問を開始する
高卒採用で最も重要なのは、学校訪問です。
学校訪問の進め方:
- ターゲット高校を選定する(工業高校、商業高校など)
- アポイントを取る(電話で進路指導室に連絡)
- 訪問時は以下を持参:
- 会社案内
- 求人票
- 名刺
- 進路指導の先生と面談
- 自社の魅力を分かりやすく説明
- 先生の話をよく聞く
訪問頻度:
- 最低年3回(6月、10月、2月が目安)
- 継続的な訪問が信頼構築の鍵
ステップ3: 応募前職場見学の受け入れ体制を整える
7月末~8月末の職場見学に備えて、受け入れ体制を整えましょう。
準備すべきこと:
- 見学プログラムの作成
- 案内担当者の決定
- 職場の5S徹底
- 若手社員への協力依頼
- 会社説明資料の準備
見学を希望する高校生が来たら、最高の対応をすることが重要です。
ステップ4: インターンシップの導入を検討する
応募前職場見学よりさらに効果的なのが、インターンシップです。
インターンシップのメリット:
- 高校生が実際の仕事を体験できる
- 企業理解が深まる
- 応募意欲が高まる
- インターンシップ経由の採用は定着率が高い
実際に、株式会社ゆめスタのゆめアカがサポートする企業では、インターンシップ経由で採用した若手社員の3年離職率は16.5%と、一般的な40.8%と比べて大幅に低い結果が出ています。
ステップ5: 長期的な視点で学校連携を続ける
採用できなくても、諦めずに学校訪問を続けましょう。
継続のポイント:
- 採用ゼロでも翌年も訪問する
- 先生とのコミュニケーションを大切にする
- 卒業生がいる場合は近況を報告する
- 学校行事に協力する(職業講話など)
継続することで、必ず信頼関係が築けます。
まとめ
重要ポイント
- 求人票だけでは職場見学獲得率わずか1%(学校訪問すれば15%)
- 高卒採用で失敗する企業の5つの共通点:
- ①求人票を出すだけ
- ②学校訪問をしない
- ③ルールを理解していない
- ④職場見学の準備不足
- ⑤短期的な視点
- 学校との信頼関係構築には3年かかる
- 継続的な学校連携が採用成功の鍵
次にすべきこと
- 高卒採用のルールを学ぶ(一者二社制、学校推薦、スケジュール)
- ターゲット高校を選定し、学校訪問のアポイントを取る
- 応募前職場見学の受け入れ体制を整える(見学プログラム、5S、若手社員)
- インターンシップ導入を検討する
- 長期的な視点で学校連携を継続する
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