一者二社制とは?高卒採用で絶対知っておくべき学校推薦のルール
「高卒採用で応募が来ない」「大卒採用と同じやり方で失敗した」そんな経験はありませんか?
高卒採用には、大卒採用とは全く異なる独自のルール「一人一社制・一人二社制」が存在します。このルールを理解せずに採用活動を行っても、応募は来ません。
実際に、高卒採用の内定率は99.1%と非常に高く、学校推薦を得られれば採用成功の確率は格段に上がります。
この記事では、一人一社制・一人二社制の仕組みと、学校推薦を勝ち取るために企業が知っておくべき対策を詳しく解説します。
この記事で分かること
- 一人一社制・一人二社制の正確な定義とルール
- 都道府県別の応募可能社数の違い
- 学校推薦の仕組みと内定率99.1%の理由
- 企業が学校推薦を勝ち取るための5つの戦略
- 一人一社制・一人二社制で企業が注意すべきポイント
読了時間: 約5分
目次
- 一人一社制・一人二社制とは?基本を理解する
- 都道府県別の応募ルール|地域差を知る
- 学校推薦の仕組みと内定率99.1%の理由
- 学校推薦を勝ち取るための5つの戦略
- 一人一社制・一人二社制で企業が注意すべきこと
- まとめ
一人一社制・一人二社制とは?基本を理解する
一人一社制とは
一人一社制とは、高校生が就職活動において一定期間、1社のみに応募できるという制度です。
具体的には:
- 9月5日〜9月末まで: 1社のみ応募可能
- 10月以降: 2社まで応募可能(一人二社制に移行)
この制度は、高校生の学業に支障をきたさないよう、応募企業を絞り込むことで就職活動の負担を軽減する目的で設けられています。
一人二社制とは
一人二社制とは、10月以降、高校生が同時に2社まで応募できる制度です。
9月中に1社目の選考で不合格となった場合や、10月以降も就職活動を続ける場合に、2社まで同時に応募できます。
重要なポイント:
- 9月は「一人一社制」、10月から「一人二社制」が原則
- 応募には学校の推薦(校長推薦)が必要
- 都道府県によってルールが異なる
なぜ一人一社制が存在するのか
一人一社制は、以下の理由で設けられています:
- 学業への配慮: 複数社の選考を同時進行すると、学業に支障をきたすため
- 学校と企業の信頼関係: 学校が推薦した生徒が内定を辞退すると、学校の信頼が損なわれるため
- ミスマッチ防止: じっくり企業研究をし、1社に絞り込むことで、入社後のミスマッチを防ぐ
都道府県別の応募ルール|地域差を知る
都道府県別の応募可能社数
一人一社制・一人二社制のルールは、都道府県によって異なります。
パターン1: 9月は1社、10月から2社(大多数の都道府県)
- 東京、愛知、福岡など、ほとんどの都道府県
- 9月中は1社のみ、10月以降は2社まで同時応募可能
パターン2: 9月から2社まで応募可能(5県)
- 秋田県、茨城県、大阪府、和歌山県、沖縄県
- 2025年3月卒から、9月の選考開始時点で2社まで応募可能
パターン3: 9月から3社まで応募可能(2県)
- 秋田県、沖縄県
- 全国でも珍しく、9月から3社まで応募可能
2025年の最新動向
2024年度から、複数社応募を認める都道府県が増加しています。
背景:
- 高校生が「複数社を比較したい」というニーズの高まり
- 3年離職率40%超の現状を改善するため、ミスマッチを減らす目的
- 企業側の採用難を緩和
茨城県は2024年度(2025年3月卒)から、9月16日の選考開始時点で2社まで応募を認める方針に変更しました。
出典: 厚生労働省「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」
企業が知っておくべき地域差
全国展開している企業や、複数県で採用活動を行う企業は、都道府県ごとのルールを把握する必要があります。
例えば:
- 東京本社: 9月は1社のみ
- 大阪支社: 9月から2社まで応募可能
同じ企業でも、勤務地によって応募のしやすさが変わります。大阪では競合が増えるため、より魅力的な求人票や職場見学が求められます。
学校推薦の仕組みと内定率99.1%の理由
学校推薦とは
高卒採用において、生徒が企業に応募する際には**学校の推薦(校長推薦)**が必要です。
学校推薦の流れ:
- 企業がハローワークに求人票を提出
- 学校が求人票を取り寄せ、進路指導室に掲示
- 生徒が興味を持った企業の職場見学に参加
- 生徒が応募を希望した場合、進路指導の先生が企業に打診
- 企業が受け入れOKの場合、学校が「校長推薦状」を発行
- 生徒が推薦状を持って企業に応募
重要なポイント:
- 学校の推薦なしには応募できない
- 進路指導の先生が「信頼できる企業」と判断した企業のみ推薦
- 生徒が個人で応募することはほぼない
内定率99.1%の理由
厚生労働省の調査によると、2021年3月卒の高卒新卒者の内定率は**99.1%**に達しています。
なぜこれほど高いのか:
- 学校推薦のフィルター: 学校が信頼できる企業のみを推薦するため、ミスマッチが少ない
- 職場見学で相互理解: 応募前に職場見学を実施し、企業と生徒が相互理解を深める
- 内定辞退が少ない: 学校の信頼を損なわないよう、内定を得たら辞退しないケースが多い
- 一人一社制の効果: 慎重に1社を選ぶため、納得感が高い
つまり、学校推薦を得られれば、採用成功の確率は非常に高いと言えます。
学校推薦を勝ち取るための5つの戦略
学校推薦を得るには、進路指導の先生に「この企業なら安心して生徒を推薦できる」と思ってもらう必要があります。
戦略1: 学校訪問を定期的に行う
進路指導の先生との信頼関係構築が最優先です。
学校訪問のポイント:
- 年2〜3回、定期的に訪問する
- 求人票を手渡しし、企業の魅力を直接伝える
- 過去に採用した生徒の近況を報告する
- 職場見学の受け入れを積極的にアピール
学校との関係構築には通常3年以上かかりますが、すでに東海3県40校とのネットワークを持つ株式会社ゆめスタのゆめアカを活用すれば、スタート地点を大幅に短縮できます。
戦略2: 職場見学を積極的に受け入れる
職場見学は、高校生が企業を選ぶ際の最重要ポイントです。
職場見学で好印象を与えるコツ:
- 若手社員との対話の時間を設ける
- 実際の作業現場をリアルに見せる
- 保護者も同伴可能にする
- 質問しやすい雰囲気を作る
職場見学で良い印象を与えられれば、高校生は「ここで働きたい」と思い、学校に推薦を依頼します。
戦略3: 求人票の質を高める
進路指導の先生が最初に目にするのは求人票です。
選ばれる求人票の要素:
- 仕事内容が具体的
- 教育・研修制度が明確
- キャリアパスが見える
- 職場の雰囲気が伝わる写真
- 先輩社員のコメント
「ハローワークの様式を埋めただけ」の求人票では、数千件の求人の中に埋もれてしまいます。
戦略4: インターンシップを実施する
インターンシップは、選考前に高校生と接点を持てる絶好の機会です。
インターンシップのメリット:
- 企業のことを深く理解してもらえる
- 生徒が「ここで働きたい」と思えば応募につながる
- ミスマッチを防げる(3年離職率16.5%)
実際に、インターンシップ経由で採用した高校生の3年離職率は16.5%と、一般的な40.8%と比べて大幅に低いことが分かっています。
ゆめアカでは、学校と連携したインターンシップの設計から実施まで一貫してサポートしています。
戦略5: 過去の採用実績を積み上げる
一度採用に成功すると、翌年以降の推薦が得やすくなります。
理由:
- 「○○君が今も元気に働いている」という実績が信頼につながる
- 先生が「この企業は安心」と認識する
- 在校生に「先輩が働いている会社」として認知される
初年度の採用が最も難しいですが、一度実績を作れば、毎年安定して推薦をもらえるようになります。
一人一社制・一人二社制で企業が注意すべきこと
注意点1: 9月の選考は「一発勝負」
9月中は一人一社制のため、企業にとっても高校生にとっても「一発勝負」です。
企業側の注意:
- 選考を長引かせない(他社に流れる可能性がある)
- 内定を出すタイミングを慎重に判断する
- 内定を出した後のフォローを徹底する
注意点2: 10月以降は2社と比較される
10月以降、高校生は2社まで同時応募できるため、企業は比較されます。
企業側の注意:
- 他社との差別化ポイントを明確にする
- 内定後の辞退を防ぐフォローが重要
- 内定者向けのイベントや研修を実施する
注意点3: 内定辞退は学校との関係を損なう
高校生が内定辞退をすると、学校の信頼を損ないます。
企業側の注意:
- 無理に内定を出さない
- 職場見学や面接で、ミスマッチを見極める
- 内定後も定期的にコミュニケーションを取る
注意点4: 都道府県ごとのルールを確認する
全国展開している企業は、都道府県ごとのルールを把握する必要があります。
企業側の注意:
- 各都道府県のハローワークに確認する
- 採用支援サービスを活用する
- 地域ごとに採用戦略を変える
まとめ
重要ポイント
- 一人一社制は9月中1社のみ、一人二社制は10月から2社まで応募可能
- 都道府県によってルールが異なる(大阪・茨城など5県は9月から2社可能)
- 学校推薦がなければ応募できず、内定率は99.1%と非常に高い
- 学校推薦を得るには、学校訪問、職場見学、求人票の質、インターンシップ、過去の実績が重要
- 9月は一発勝負、10月以降は比較される、内定辞退は学校との関係を損なう
次にすべきこと
- 都道府県のルールを確認する: 採用活動を行う地域のハローワークに問い合わせ
- 学校訪問を計画する: 近隣の工業高校・商業高校の進路指導室を訪問
- 職場見学の受け入れ体制を整える: いつでも見学を受け入れられる準備
- インターンシップを検討する: 高校生向けインターンシッププログラムの導入
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