高卒採用の求人倍率4.67倍の現実|なぜ中小企業は採用できないのか
「求人を出しても応募が来ない」「何年も採用ゼロが続いている」そんな悩みを抱えていませんか?
実際に、2025年3月卒の高卒採用における求人倍率は4.10倍と過去最高を記録しました。これは大卒の1.75倍の2倍以上の数字で、1人の高校生を4社が奪い合うという超売り手市場です。
しかし、この厳しい状況でも採用に成功している中小企業は存在します。
この記事では、高卒採用の求人倍率の現実と、中小企業が採用ゼロから脱却するために知っておくべき戦略を詳しく解説します。
この記事で分かること
- 高卒採用の求人倍率4.10倍の衝撃的な実態
- 大卒採用との求人倍率の比較データ
- 中小企業が採用できない5つの本質的な理由
- 採用ゼロから脱却するための具体的な戦略
- 学校推薦を勝ち取るために必要なこと
読了時間: 約5分
目次
高卒採用の求人倍率4.10倍の衝撃
過去最高を記録した2025年3月卒
厚生労働省の調査によると、2025年3月卒の高校新卒者の求人倍率は4.10倍を記録し、過去最高水準に達しました。
これはどういう意味かというと、1人の高校生に対して4.1社の求人が存在するということです。つまり、採用活動を行う企業の約75%は採用できない計算になります。
出典: 厚生労働省「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」(2024年7月末現在)
バブル期を超えた超売り手市場
この4.10倍という数字は、バブル経済期を超える水準です。
過去の推移:
- 2023年3月卒: 3.49倍
- 2024年3月卒: 3.98倍
- 2025年3月卒: 4.10倍(過去最高)
わずか2年で0.6ポイント以上も上昇しており、採用環境は年々厳しさを増しています。
東京都では9.84倍という異常事態
さらに衝撃的なのは、地域別の格差です。
東京都に限れば、高卒採用の求人倍率は9.84倍(2023年3月卒)に達しており、ほぼ10社に1社しか採用できない状況です。
都市部では、地方以上に高校生の取り合いが激化しています。
大卒採用との求人倍率比較|なぜ高卒採用は厳しいのか
高卒4.10倍 vs 大卒1.75倍
高卒採用の求人倍率4.10倍は、大卒採用の1.75倍と比べると2倍以上高い数字です。
2025年3月卒の求人倍率:
- 高卒採用: 4.10倍
- 大卒採用: 1.75倍
つまり、高卒採用は大卒採用よりも2倍以上競争が激しい市場なのです。
出典: リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査(2025年卒)」
なぜ高卒採用の方が倍率が高いのか
理由は明確です。高校生の就職希望者数が急激に減少しているからです。
高校生の就職希望者の推移:
- 約10年前: 約19万人
- 2025年3月卒: 約13.8万人(約130,000人)
5年間で約6万人も減少しており、少子化の影響が顕著に表れています。
一方で、企業側の採用ニーズは衰えません。労働力不足が深刻化する中、若手人材の確保は経営課題として急務です。
結果として、需要と供給のバランスが大きく崩れ、超売り手市場が形成されています。
中小企業の大卒採用倍率は8.62倍
「それなら大卒採用に切り替えれば良いのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、中小企業(従業員300名以下)の大卒求人倍率は8.62倍と、高卒採用よりもさらに厳しい状況です。
つまり、中小企業にとっては高卒採用も大卒採用も等しく困難であり、どちらかを選べば良いという単純な話ではありません。
中小企業が採用できない5つの理由
求人倍率4.10倍という厳しい市場環境の中で、なぜ中小企業は採用できないのでしょうか。
理由1: 知名度が圧倒的に低い
高校生や進路指導の先生は、知らない企業に対して警戒心を持ちます。
大企業やテレビCMで見たことがある企業は安心感がありますが、中小企業にはそれがありません。
「聞いたことがない会社」というだけで、選考候補から外されてしまうのです。
理由2: 学校とのつながりがゼロ
高卒採用において最も重要なのは、学校との信頼関係です。
進路指導の先生は、信頼できる企業しか生徒に推薦しません。しかし、学校訪問を一度もしたことがない企業が、いきなり推薦を得ることは不可能です。
学校との関係構築には通常3年以上かかります。今年初めて求人を出した企業が採用できないのは、当然と言えます。
理由3: 採用ノウハウが不足している
高卒採用には、大卒採用とは全く異なる独自のルールがあります。
- 一者二社制(1人の生徒が応募できるのは2社まで)
- 学校推薦の仕組み
- 7月求人公開、9月選考開始という厳格なスケジュール
これらを理解せずに採用活動を行っても、成果は出ません。
多くの中小企業は、高卒採用の経験が浅く、ノウハウが蓄積されていないのです。
理由4: ハローワーク求人だけに頼っている
「ハローワークに求人を出せば応募が来る」と考えている企業は、ほぼ100%採用に失敗します。
なぜなら、高校生が企業を探す主な手段は学校の進路指導室であり、ハローワークの求人票を直接見ることはほとんどないからです。
進路指導の先生が、数千件の求人の中から自社を選んで生徒に紹介してくれる確率は、極めて低いと言わざるを得ません。
理由5: 採用活動の優先度が低い
経営者が多忙で、採用活動に十分な時間を割けないケースも多く見られます。
しかし、高卒採用では7月〜9月の3ヶ月間が勝負です。この期間に学校訪問や職場見学を受け入れなければ、採用のチャンスはありません。
「今年は忙しいから来年にしよう」と先延ばしにしている企業は、永遠に採用できないのです。
求人倍率4.10倍の市場で勝つための戦略
厳しい市場環境の中でも、採用に成功している中小企業は存在します。その違いは何でしょうか。
戦略1: 学校との関係構築に全力を注ぐ
高卒採用の成否は、学校との信頼関係で決まります。
具体的には:
- 年に2〜3回の定期的な学校訪問
- 進路指導の先生との関係づくり
- 職場見学の積極的な受け入れ
- 過去に採用した生徒の近況報告
学校との信頼関係構築には時間がかかりますが、一度構築すれば毎年安定して推薦をもらえるようになります。
しかし、すでに東海3県40校とのネットワークを持つ株式会社ゆめスタのゆめアカを活用すれば、スタート地点を大幅に短縮できます。実際に、2025年度に3社で14名の高卒採用を成功させており、中には3年間ゼロだった企業が4名採用に成功した事例もあります。
戦略2: インターンシップで接点を作る
求人倍率4.10倍の市場で、求人票だけで勝負するのは無謀です。
インターンシップを通じて、選考前に高校生と接点を持つことが重要です。
インターンシップのメリット:
- 企業のことを深く理解してもらえる
- 生徒が「ここで働きたい」と思えば、応募につながる
- ミスマッチを防げる(3年離職率16.5%)
実際に、インターンシップ経由で採用した高校生の3年離職率は16.5%と、一般的な40.8%と比べて大幅に低いことが分かっています。
戦略3: 応募前職場見学を必ず実施する
高校生が企業を選ぶ際、最も重視するのは職場見学です。
職場見学で良い印象を与えられれば、応募につながります。逆に、職場見学を断る企業は選考候補から外されます。
職場見学のポイント:
- 若手社員との対話の場を設ける
- 実際の作業現場を見せる
- 質問しやすい雰囲気を作る
- 保護者も同伴可能にする
戦略4: 求人票の質を高める
求人票は、進路指導の先生が最初に目にする重要な資料です。
選ばれる求人票の5つの要素:
- 仕事内容が具体的
- 教育体制が明確
- キャリパスが見える
- 職場の雰囲気が伝わる写真
- 先輩社員のコメント
「とりあえずハローワークの様式を埋めた」だけの求人票では、勝てません。
戦略5: 採用のプロに任せる
自社だけで採用活動を行うのが難しい場合、採用支援サービスの活用も選択肢の一つです。
ゆめアカでは、学校との関係構築からインターンシップの設計、求人票の作成、職場見学の受け入れまで、一貫してサポートしています。
特に、初めて高卒採用に取り組む企業や、採用ゼロが続いている企業にとって、実績あるサポートは心強い味方になります。
まとめ
重要ポイント
- 高卒採用の求人倍率は4.10倍と過去最高水準で、1人の高校生を4社が奪い合う超売り手市場
- 大卒採用の1.75倍と比べて2倍以上高く、中小企業にとって厳しい環境
- 中小企業が採用できない理由は、知名度不足、学校とのつながりゼロ、ノウハウ不足、ハローワーク依存、優先度の低さ
- 採用成功の鍵は、学校との信頼関係構築、インターンシップ、職場見学、求人票の質、プロのサポート活用
次にすべきこと
- 学校訪問を始める: 近隣の工業高校・商業高校の進路指導室を訪問し、関係づくりをスタート
- インターンシップを検討する: 高校生向けインターンシッププログラムの導入を計画
- 職場見学の受け入れ体制を整える: いつでも見学を受け入れられる準備をしておく
- 専門家に相談する: 採用ゼロが続いている場合は、実績ある支援サービスの活用を検討
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