離職率削減・定着支援

入社3ヶ月が勝負|高卒新人の早期離職を防ぐオンボーディング

著者: 株式会社ゆめスタ
入社3ヶ月が勝負|高卒新人の早期離職を防ぐオンボーディング

「採用した高校生が3ヶ月で辞めてしまった」「せっかく入社してくれたのにすぐ辞める」そんな悩みを抱えていませんか?

実際に、高卒新人の約15%が入社1年以内に離職しており、3年以内では約40%が会社を去っています。特に入社後3ヶ月は離職リスクが最も高く、この期間の対応が定着率を大きく左右します。

しかし、効果的なオンボーディング(受け入れ体制)を整えることで、早期離職を防ぎ、定着率を劇的に改善できます。

この記事では、入社3ヶ月で離職を防ぐための具体的なオンボーディング施策を、実践的に解説します。

この記事で分かること

  • 入社3ヶ月が離職の分かれ道になる理由
  • 高卒新人が辞める本当の原因と対策
  • 効果的なオンボーディングの5つのステップ
  • 実際に定着率を改善した企業の施策

読了時間: 約5分


目次

  1. なぜ入社3ヶ月が勝負なのか
  2. 高卒新人が3ヶ月で辞める本当の理由
  3. 効果的なオンボーディングの5つのステップ
  4. 入社前から始める受け入れ準備
  5. 最初の1週間で行うべきこと
  6. 1ヶ月目・2ヶ月目・3ヶ月目の重点施策
  7. 定着率を劇的に改善した企業の事例
  8. まとめ

なぜ入社3ヶ月が勝負なのか

早期離職の統計データ

厚生労働省の調査によると、高卒新卒者の離職率は以下の通りです。

  • 1年以内: 15.1%
  • 2年以内: 26.8%
  • 3年以内: 37.0%

特に注目すべきは、入社後3ヶ月以内の離職が全体の約4割を占めている点です。この期間に適切なフォローができなければ、その後の定着率にも大きく影響します。

3ヶ月で何が起こるのか

入社後3ヶ月は、新人にとって最も不安と緊張が高い時期です。

1ヶ月目: 新しい環境への適応に必死で、本音を言えない 2ヶ月目: 慣れてきた一方で、疲れやギャップを感じ始める 3ヶ月目: 「このまま続けるべきか」を真剣に考え始める

この3ヶ月間に「この会社で頑張りたい」と思えなければ、離職リスクは一気に高まります。

オンボーディングの効果

適切なオンボーディングを実施した企業では、以下の効果が報告されています。

  • 定着率が50%以上向上
  • 早期戦力化が平均2ヶ月短縮
  • 新人のモチベーションが80%以上向上

株式会社ゆめスタが支援するインターンシップ経由採用では、3年離職率が16.5%と一般的な40%を大きく下回っており、入社前からの関係構築と手厚いフォローが成果を上げています。


高卒新人が3ヶ月で辞める本当の理由

理由第1位:職場の雰囲気が合わない(44.4%)

早期離職の理由として最も多いのが「職場の雰囲気が良くなかった/自分に合わなかった」です。

具体的には:

  • 先輩が冷たい、話しかけにくい
  • 質問しづらい雰囲気がある
  • 孤立感を感じる

高校生は職場経験が少なく、人間関係の悩みを一人で抱え込みがちです。

理由第2位:仕事内容のギャップ(38.2%)

「思っていた仕事と違った」というギャップも大きな離職要因です。

  • 面接や職場見学で聞いていた内容と違う
  • 雑用ばかりでやりがいを感じない
  • 成長を実感できない

入社前の期待と現実のギャップが大きいほど、早期離職につながります。

理由第3位:教え方が分からない(32.5%)

「誰も教えてくれない」「何をすればいいか分からない」という状況も深刻です。

  • 教育担当が決まっていない
  • 忙しくて教える時間がない
  • 教え方が厳しすぎる/放置しすぎる

特に中小企業では、受け入れ体制が整っていないケースが多く見られます。

理由第4位:体調不良・精神的疲労(27.8%)

慣れない環境でのストレスが、体調面に影響するケースもあります。

  • 通勤や仕事に慣れず疲れが溜まる
  • プレッシャーで眠れない
  • 相談できる相手がいない

高校生は社会人経験がないため、ストレスへの対処法が分からないことが多いです。


効果的なオンボーディングの5つのステップ

早期離職を防ぐオンボーディングには、5つのステップがあります。

ステップ1:入社前の関係構築

入社日を迎える前から、つながりを作ります。

  • 内定者向けの工場見学会
  • 先輩社員との交流会
  • 入社前の不安相談窓口

入社前に「歓迎されている」と感じてもらうことが重要です。

ステップ2:初日の温かい迎え入れ

入社初日の印象が、その後の定着率を左右します。

  • 歓迎の挨拶と全員への紹介
  • デスクや道具の準備
  • ウェルカムランチ

「待っていたよ」というメッセージを伝えましょう。

ステップ3:段階的な仕事の割り振り

いきなり難しい仕事を任せるのではなく、段階的に進めます。

  • 1週間:会社のルールや流れを覚える
  • 1ヶ月:簡単な作業を一人でできるようになる
  • 3ヶ月:基本的な業務を任せられるレベルに

小さな成功体験を積み重ねることが大切です。

ステップ4:定期的な面談とフィードバック

週1回、または最低でも月1回の面談を設定します。

  • 困っていることはないか
  • 仕事で分からないことはないか
  • 体調やメンタル面は大丈夫か

本音を聞き出すには、安心して話せる環境づくりが必要です。

ステップ5:メンター制度の導入

業務指導とは別に、相談相手(メンター)を配置します。

  • 年齢の近い先輩社員が理想的
  • 月1回の1on1ミーティング
  • 業務外の相談もOK

メンターがいることで、孤立感を防ぎ、心理的安全性が高まります。


入社前から始める受け入れ準備

内定後のコミュニケーション

内定を出したら、入社日まで定期的に連絡を取ります。

  • 月1回のメールや電話
  • 会社の様子を伝える写真や動画
  • 先輩社員からのメッセージ

入社前に「不安」を「楽しみ」に変えることが目標です。

受け入れ体制の整備

現場の準備も怠らないようにします。

  • 教育担当者の選定と事前研修
  • 新人用のマニュアル作成
  • デスク、ロッカー、制服などの準備

新人が「歓迎されている」と感じる環境を整えます。

既存社員への周知

既存社員にも、新人受け入れの協力を依頼します。

  • 新人の名前、出身校、趣味などを共有
  • 「積極的に声をかけてほしい」と依頼
  • 歓迎ムードを社内に醸成

全員で迎え入れる雰囲気が大切です。


最初の1週間で行うべきこと

初日のスケジュール

入社初日は、安心感を与えることを最優先にします。

午前:

  • 社長や上司からの歓迎の言葉
  • 全社員への挨拶
  • 会社案内ツアー

午後:

  • 基本的なルールの説明
  • 必要書類の記入
  • デスク周りの使い方レクチャー

初日は詰め込みすぎず、リラックスした雰囲気で過ごします。

1週間の目標設定

最初の1週間で達成すべき目標を明確にします。

  • 社員の名前と顔を覚える
  • 会社のルールを理解する
  • 簡単な作業を1つできるようになる

達成可能な小さな目標を設定し、成功体験を積ませます。

毎日の振り返り

1週間は毎日、終業前に5分間の振り返りを行います。

  • 今日学んだこと
  • 分からなかったこと
  • 明日やること

日々の進捗を確認し、不安を早期にキャッチします。


1ヶ月目・2ヶ月目・3ヶ月目の重点施策

1ヶ月目:基礎の習得と関係構築

目標: 会社に慣れ、基本的な業務を覚える

  • 週1回の面談(教育担当者と)
  • 簡単な業務を一人でできるようにする
  • 先輩社員とのランチ交流

1ヶ月経過時点で、必ず面談を実施し、感想を聞きます。

2ヶ月目:自立への第一歩

目標: 一部の業務を自分で判断できるようになる

  • 担当業務の範囲を少しずつ広げる
  • 小さなミスを許容し、失敗から学ばせる
  • メンターとの月1回面談を開始

「できた」という成功体験を増やします。

3ヶ月目:定着の最終確認

目標: 基本業務を一人で遂行できる

  • 3ヶ月間の振り返り面談
  • 今後のキャリアパスを一緒に考える
  • 「ここで頑張りたい」と思えているか確認

3ヶ月面談で離職の兆候がないかチェックします。


定着率を劇的に改善した企業の事例

A社(製造業・従業員50名)

課題: 高卒新人の3ヶ月離職率が50%

実施した施策:

  • 入社前の工場見学会(月1回)
  • 初日の歓迎ランチ
  • 週1回の1on1面談(最初の3ヶ月)
  • メンター制度の導入

結果: 3ヶ月離職率が50%→5%に改善

新人が「質問しやすい環境」が整ったことで、不安を早期に解消できるようになりました。

B社(建設業・従業員30名)

課題: 新人が孤立し、1ヶ月以内に辞めるケースが多い

実施した施策:

  • 新人専用の作業マニュアル作成
  • 先輩社員とのペア制度(最初の2ヶ月)
  • 毎週金曜日の振り返りミーティング

結果: 1年定着率が40%→85%に向上

マニュアルとペア制度により、「何をすればいいか分からない」という不安がなくなりました。


まとめ

重要ポイント

  • 入社3ヶ月で離職の大半が決まる
  • 早期離職の最大の理由は「職場の雰囲気」
  • オンボーディングは入社前から始める
  • 週1回の面談とメンター制度が効果的
  • 小さな成功体験を積ませることが定着のカギ

次にすべきこと

  1. 受け入れ体制の見直し: 現在の受け入れ体制をチェックし、改善点を洗い出す
  2. 教育担当者の選定: 新人に寄り添える先輩社員をアサインする
  3. 面談スケジュールの設定: 週1回または月1回の面談を計画する
  4. メンター制度の導入: 業務外でも相談できる相手を配置する
  5. 入社前コミュニケーションの開始: 内定後すぐに関係構築を始める

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この記事は、株式会社ゆめスタが運営するゆめスタアカデミー(ゆめアカ)が提供しています。 高卒採用・インターンシップ支援の実績とノウハウをもとに、 中小企業の採用成功をサポートしています。

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よくある質問

この記事に関連するよくある質問

入社後3ヶ月は離職リスクが最も高い期間だからです。高卒新人の約15%が入社1年以内に離職しますが、その多くが最初の3ヶ月で辞めることを決断しています。この期間に効果的なオンボーディングを実施することで、早期離職を防ぎ、定着率を劇的に改善できます。

1週目は会社・業務理解(オリエンテーション、職場見学、基本ルール説明)、2週目は基本業務習得(簡単な作業から開始)、1ヶ月目は独力での業務遂行(メンターサポート付き)、3ヶ月目は振り返りと目標設定が基本です。各段階で小さな成功体験を積み重ね、メンター制度と定期面談を組み合わせることが重要です。

最も多い不安は「仕事ができるようになるのか」「先輩とうまくやっていけるか」「質問していいのか分からない」です。これらの不安を解消するには、明確な目標設定、メンター制度、定期的な1on1面談、質問しやすい環境づくりが効果的です。特に高校生は社会人経験がないため、丁寧なフォローが必要です。

入社2~3年目の若手社員が最適です。年齢が近く共感しやすく、自身の新人時代の経験を覚えているため、新人の気持ちを理解できます。ただし、メンター本人の業務負担にならないよう配慮し、メンタリングの時間を確保することが重要です。メンター向けの研修も実施しましょう。

最初の1ヶ月は週1回、2~3ヶ月目は2週に1回が目安です。面談時間は30分~1時間程度で、新人の不安や悩みを聞き、フィードバックを与えます。形式的な面談ではなく、リラックスして本音を話せる雰囲気を作ることが重要です。

定着率(3ヶ月後、6ヶ月後、1年後)、新人満足度アンケート、業務習得度(目標達成率)、メンターや上司からの評価などで測定します。これらの指標を定期的にモニタリングし、オンボーディングプログラムを改善していくことで、より効果的な受け入れ体制を構築できます。

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オンボーディング早期離職高卒採用定着率向上