「入社2年目なのに、成長している実感が持てない」「毎日同じ仕事の繰り返しで、やりがいを感じない」そんな若手社員の声を聞いたことはありませんか?
実際に、パーソル総合研究所の調査によると、成長実感が低い若手社員はエンゲージメントが低く、早期離職につながりやすいことが分かっています。
しかし、日々の業務の中で「小さな成功体験」を積み重ねる仕組みを作ることで、若手社員は成長を実感し、モチベーション高く働き続けることができます。
この記事では、高卒社員に成長実感を与え、定着率を高めるための教育設計方法を具体的に解説します。
この記事で分かること
- 若手社員が成長実感を得られない3つの理由
- 成長実感が離職率に与える影響
- 小さな成功体験がモチベーションを高めるメカニズム
- 成功体験を積ませる5つの教育設計
- 成長実感を高めた企業の成功事例
読了時間: 約8分
目次
若手社員が成長実感を得られない3つの理由
理由1: ルーティン化した業務
入社1-2年が経過すると、業務に慣れてルーティン化します。
若手社員の本音:
- 「毎日同じ作業の繰り返しで、成長している気がしない」
- 「やったことのある仕事ばかりで、新しいことを学べない」
- 「この仕事を続けていて、本当にスキルアップできるのか不安」
パーソル総合研究所の調査によると、若手社員の成長意欲が高いほど、成長実感の欠如がエンゲージメント低下に直結することが分かっています。
理由2: 評価・フィードバックの不足
自分の成長が認められないと、努力が報われていないと感じます。
評価不足が生む問題:
- 自分がどれだけ成長したのか分からない
- 上司から褒められることが少ない
- 1年前の自分と今の自分を比較する機会がない
理由3: 高すぎる目標設定
逆に、目標が高すぎると達成感を得られず、挫折感だけが残ります。
高すぎる目標の例:
- 入社1年目で「リーダーになる」
- 「先輩社員と同じレベルの仕事をする」
- 「ミスゼロで完璧にこなす」
若手社員には、「ちょっと頑張れば達成できる」レベルの目標設定が重要です。
成長実感の欠如が離職率に与える影響
成長実感とエンゲージメントの関係
パーソル総合研究所の調査によると、成長実感が低い若手社員は、エンゲージメントが著しく低下します。
エンゲージメント低下の悪循環:
- 成長実感が得られない
- 仕事へのモチベーションが下がる
- 会社への愛着が薄れる
- 離職を考え始める
離職理由の上位に「成長実感の欠如」
厚生労働省の調査でも、若手社員の離職理由の上位に「成長実感が得られない」が挙げられています。
離職理由トップ3:
- 給与・待遇への不満
- 成長実感の欠如
- 人間関係の問題
成長実感がある企業は定着率が高い
一方、株式会社ゆめスタが支援する企業では、インターンシップを通じて入社前から成長のイメージを持ってもらい、入社後も小さな成功体験を積み重ねることで、3年離職率16.5%という実績を達成しています。
小さな成功体験とは
小さな成功体験の定義
小さな成功体験とは、日々の業務の中で「できた!」「成長した!」と実感できる瞬間のことです。
小さな成功体験の例:
- 昨日できなかった作業が、今日はスムーズにできた
- 先輩に褒められた
- 1ヶ月前より作業時間が短縮できた
- 後輩に教えることができた
小さな成功体験がモチベーションを高める理由
成功体験のメカニズム:
- 小さな成功を経験する
- 「自分はできる」という自信がつく
- 次の挑戦への意欲が生まれる
- さらに成功体験を積む
- 成長実感とモチベーションが高まる
成功体験の適切な難易度
成功体験を得るには、適切な難易度設定が重要です。
適切な難易度の目安:
- 業務の5-10%が「ちょっと難しい」レベル
- 「頑張れば達成できる」と感じる目標
- 1週間〜1ヶ月で達成可能な課題
NGな難易度:
- 簡単すぎる: 達成感がない
- 難しすぎる: 挫折感が残る
成功体験を積ませる5つの教育設計
設計1: 細かくステップを刻んだ目標設定
大きな目標を、小さなステップに分解します。
目標の刻み方(製造業の例):
大目標: 独力で製品を完成させる
小ステップ:
- 1週目: 基本操作を覚える
- 2週目: 先輩の補助で1つ完成させる
- 3週目: 先輩のチェック付きで独力で完成させる
- 4週目: 独力で完成させる(先輩は見守り)
- 5週目以降: 独力で複数完成させる
各ステップで「できた!」という成功体験を得られます。
設計2: 毎日の振り返りと承認
1日の終わりに、その日できたことを振り返り、上司が承認します。
効果的な振り返りの方法:
15分の振り返り時間:
- 今日できたこと3つ
- 今日の成長ポイント1つ
- 明日の目標1つ
上司の役割:
- 小さな成長も見逃さず褒める
- 「昨日よりできるようになったね」と具体的に伝える
- 次のステップを一緒に考える
設計3: 「見える化」で成長を可視化
成長を数値やグラフで見える化すると、成長実感が得やすくなります。
見える化の例:
| 項目 | 入社時 | 1ヶ月後 | 3ヶ月後 |
|---|---|---|---|
| 作業時間 | 60分 | 45分 | 30分 |
| ミス回数 | 5回/日 | 2回/日 | 0.5回/日 |
| 独力でできる作業 | 0種類 | 3種類 | 8種類 |
見える化のメリット:
- 「自分は成長している」と客観的に確認できる
- 次の目標が明確になる
- モチベーションが維持できる
設計4: 段階的な責任の委譲
少しずつ責任ある仕事を任せ、達成感を積み重ねます。
責任の委譲ステップ(物流業の例):
| 時期 | 任せる責任 | 成功体験 |
|---|---|---|
| 1-3ヶ月 | 配送ルートの一部を担当 | 「1人で配送できた」 |
| 4-6ヶ月 | 1日の配送ルート全体を担当 | 「全ルート回れた」 |
| 7-9ヶ月 | 新人の教育担当 | 「後輩に教えられた」 |
| 10-12ヶ月 | イレギュラー対応 | 「問題を解決できた」 |
設計5: 定期的な成長確認面談
3ヶ月ごとに、成長を振り返る面談を実施します。
成長確認面談の内容:
面談時間: 30分-1時間
話し合う内容:
- この3ヶ月でできるようになったこと
- 成長を実感した瞬間
- 次の3ヶ月の目標
- 会社や上司に期待すること
重要ポイント:
- 本人に成長を言語化してもらう
- 上司も具体的に成長を伝える
- 本人の希望を聞き、次のステップに反映
成長実感を高めた企業の成功事例
事例1: 製造業A社(従業員50名)
課題: 若手社員が「成長している実感がない」と離職
施策:
- 週次で小さな目標を設定
- 毎日15分の振り返り時間を設置
- 成長を数値化して見える化
結果:
- 若手社員の満足度が45%向上
- 3年以内離職率が30%減少
- 「成長を実感できる」という声が増加
事例2: 物流業B社(従業員80名)
課題: ルーティン業務で成長実感が得られない
施策:
- 3ヶ月ごとに新しい責任を委譲
- 月1回の成長確認面談
- 先輩社員からの定期的なフィードバック
結果:
- モチベーションスコアが35%向上
- 若手社員の定着率が大幅改善
- 自発的な改善提案が増加
事例3: 建設業C社(従業員40名)
課題: 高卒新入社員が早期離職
施策:
- ゆめアカのインターンシップで入社前から成長イメージを持ってもらう
- 入社後は細かくステップを刻んだ育成計画
- 週1回のメンターとの振り返り
結果:
- 高卒新入社員の定着率が90%に向上
- 「成長できる環境」として学校からの評価が向上
- 2年間で10名の高卒採用に成功
東海3県40校とのネットワークを持つゆめアカでは、インターンシップを通じて入社前から企業の成長環境を体験してもらうことで、ミスマッチを防ぎ、入社後の定着率を高めています。
まとめ
重要ポイント
- 成長実感の欠如は、若手社員の早期離職の大きな要因
- 日々の「小さな成功体験」が成長実感とモチベーションを高める
- 適切な難易度設定が成功体験の鍵(業務の5-10%がチャレンジ)
- 細かいステップ、毎日の振り返り、見える化、責任の委譲、定期面談が重要
- インターンシップで入社前から成長環境を伝えることが効果的
次にすべきこと
- 現在の育成計画を見直し、小さなステップに分解する
- 毎日の振り返り時間を設定する
- 成長を数値化・見える化する仕組みを作る
- 定期的な成長確認面談を導入する
- インターンシップで企業の成長環境を伝える
ゆめアカへのご相談はこちら
高卒採用や若手社員の定着支援でお悩みの企業様は、ぜひゆめアカにご相談ください。東海3県40校とのネットワークを活かし、インターンシップから採用、育成、定着まで一貫してサポートします。若手社員が成長を実感できる環境づくりについてもアドバイスいたします。
関連記事
この記事は、株式会社ゆめスタが運営するゆめスタアカデミー(ゆめアカ)が提供しています。 高卒採用・インターンシップ支援の実績とノウハウをもとに、 中小企業の採用成功をサポートしています。




