離職率削減・定着支援

高卒新人の離職率を下げる10の方法|3年定着率を80%にする施策

著者: 株式会社ゆめスタ
高卒新人の離職率を下げる10の方法|3年定着率を80%にする施策

「せっかく採用した高卒新人が、1年も経たずに辞めてしまう」「3年以内に半分以上が退職してしまう」そんな悩みを抱えていませんか?

厚生労働省の調査によると、高卒新卒者の3年以内離職率は37.0%に達しており、特に1年目の離職率が15.1%と最も高い状況です。採用にかけたコストと時間が無駄になるだけでなく、技術継承や組織の成長にも大きな影響を与えます。

しかし、適切な施策を実施することで、離職率を大幅に下げ、3年定着率を80%以上に高めることは可能です。実際に、株式会社ゆめスタが運営するゆめアカでは、インターンシップ経由で採用した若手社員の3年離職率が16.5%と、一般的な37.0%と比べて半分以下に抑えられています。

この記事では、高卒新人の離職率を下げる10の具体的な方法を、実践的な視点から詳しく解説します。

この記事で分かること

  • 高卒新人の離職率が高い根本的な原因
  • 1年目の離職を防ぐオンボーディングの設計方法
  • メンター制度やキャリアパス設計など、定着率を高める10の施策
  • 離職率16.5%を実現する企業の成功事例

読了時間: 約8分


目次

  1. 高卒新人の離職率の現状
  2. 離職率が高い3つの根本原因
  3. 離職率を下げる10の方法
  4. 成功事例:離職率16.5%を実現する企業
  5. まとめ

高卒新人の離職率の現状

3年離職率37.0%の衝撃

厚生労働省が公表した最新データ(令和5年発表)によると、高卒新卒者の3年以内離職率は37.0%に達しています。これは、採用した高卒新人の3人に1人以上が3年以内に退職している計算です。

出典: 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」(令和5年)

年次別の離職率内訳:

  • 1年目: 15.1%
  • 2年目: 11.7%
  • 3年目: 10.2%

特に注目すべきは、1年目の離職率が最も高いという点です。入社してわずか1年以内に約15%が退職しており、この時期の対策が極めて重要であることが分かります。

大卒との比較

大卒新卒者の3年以内離職率は32.3%であり、高卒は大卒よりも約5ポイント高い状況です。中小企業の経営者にとって、若手人材の定着は喫緊の課題と言えます。

業界別の離職率

業界によっても離職率は大きく異なります。

高卒3年離職率が高い業界:

  1. 宿泊業・飲食サービス業: 62.6%
  2. 生活関連サービス業・娯楽業: 57.0%
  3. 小売業: 48.3%
  4. 教育・学習支援業: 50.1%

高卒3年離職率が低い業界:

  1. 電気・ガス・熱供給・水道業: 9.7%
  2. 鉱業・採石業・砂利採取業: 12.6%
  3. 製造業: 25.6%

製造業は比較的離職率が低いものの、それでも4人に1人が3年以内に辞めている現実があります。


離職率が高い3つの根本原因

離職率を下げるには、まず「なぜ若手社員が辞めるのか」を理解する必要があります。

原因①:人間関係の問題

厚生労働省の調査や民間の離職理由調査で常に上位に挙がるのが「人間関係」です。

具体的な問題:

  • 上司や先輩との関係がうまくいかない
  • 職場に相談できる人がいない
  • 孤立感を感じる
  • パワハラ・いじめがある

高卒新人は18歳で社会に出るため、大卒(22歳)よりも精神的に未熟な面があり、人間関係のストレスに耐えられず退職するケースが多く見られます。

原因②:労働条件・待遇への不満

入社前に聞いていた条件と実際の労働環境にギャップがあると、早期離職につながります。

具体的な問題:

  • 長時間労働(残業が多い)
  • 休日が少ない
  • 給与が低い・昇給が見込めない
  • 福利厚生が不十分

特に、求人票に記載された内容と実態が異なる「求人詐欺」は、若手社員の信頼を大きく損ねます。

原因③:仕事の不適合(ミスマッチ)

「思っていた仕事と違った」というミスマッチも、離職の大きな原因です。

具体的な問題:

  • 仕事内容が想像と違った
  • 自分の能力や適性に合わない
  • やりがいを感じられない
  • 成長実感が得られない

高校生は職場見学やインターンシップでの経験が限られているため、入社後に「こんなはずじゃなかった」と感じるケースが少なくありません。


離職率を下げる10の方法

ここからは、離職率を下げるための具体的な施策を10個紹介します。これらを組み合わせて実施することで、3年定着率を80%以上に高めることが可能です。

方法①:充実したオンボーディングプログラムの実施

1年目の離職を防ぐ最重要施策

オンボーディングとは、新入社員が組織に適応し、早期に戦力化するための一連の支援プログラムです。

実施内容:

  • 入社前研修(事前課題、会社見学)
  • 入社1週間の丁寧な導入研修
  • 業務の段階的な引き継ぎ
  • 入社1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月の定期面談
  • 配属先での歓迎イベント

ポイント: 入社初日から「この会社で働いて良かった」と思ってもらえる体験を設計することが重要です。

方法②:メンター制度の導入

相談できる先輩の存在が離職を防ぐ

メンター制度とは、新入社員1人に対して年齢の近い先輩社員(メンター)を配置し、業務面・精神面の両方をサポートする仕組みです。

メンターの役割:

  • 日常的な相談相手
  • 仕事の進め方のアドバイス
  • 社内人脈の紹介
  • 月1回以上の定期面談

成功のコツ: メンターは直属の上司ではなく、別部署の先輩が望ましいです。本音を話しやすい関係を築けます。

方法③:OJT担当者の育成

教える側のスキルが定着率を左右する

OJT(On-the-Job Training)の質は、新入社員の成長と定着に直結します。しかし、多くの企業では「ベテランに任せれば大丈夫」と考え、OJT担当者への教育を怠っています。

OJT担当者研修の内容:

  • 若手社員の心理理解
  • 効果的な指導方法
  • フィードバックの技術
  • パワハラにならないコミュニケーション
  • 進捗管理とフォローアップ

ポイント: 「教える」スキルは、経験だけでは身につきません。体系的な研修が必要です。

方法④:定期的な1on1面談の実施

本音を引き出す対話の場

上司と部下が定期的に1対1で話す時間を設けることで、小さな不満や悩みを早期にキャッチできます。

1on1のルール:

  • 月1回、30分〜1時間
  • 上司が一方的に話すのではなく、部下の話を聞く
  • 業務報告ではなく、キャリアや悩みについて話す
  • 秘密厳守(本人の許可なく他言しない)

質問例:

  • 「最近、仕事で困っていることはある?」
  • 「この1ヶ月で成長を実感できたことは?」
  • 「将来、どんな仕事をしてみたい?」
  • 「職場の人間関係で気になることはある?」

方法⑤:明確なキャリアパスの提示

将来が見えないと、若手は辞める

「この会社で働き続けても、将来どうなるか分からない」という不安は、離職の大きな要因です。

キャリアパスの提示方法:

  • 入社1年目・3年目・5年目・10年目の目標設定
  • 昇進・昇給の基準を明確化
  • 資格取得支援制度の整備
  • ロールモデルとなる先輩社員の紹介

事例: 「入社3年目で班長、5年目で主任、10年目で係長」といった具体的なキャリアステップを示すことで、若手社員のモチベーションが高まります。

方法⑥:適切な評価とフィードバック

成長実感が定着率を高める

若手社員は「自分が成長しているか」を非常に気にしています。適切な評価とフィードバックにより、成長実感を与えることが重要です。

評価の仕組み:

  • 半年に1回の人事評価
  • 目標設定(MBO)と達成度評価
  • 評価基準の透明化
  • 評価理由の丁寧な説明

フィードバックのコツ:

  • 良い点を先に伝える(ポジティブフィードバック)
  • 改善点は具体的に伝える
  • 「なぜそれが重要か」を説明する
  • 次のアクションを一緒に考える

方法⑦:労働環境の改善

働きやすさが定着率に直結

労働条件や職場環境の改善は、離職率低下の基本です。

改善すべきポイント:

  • 長時間労働の是正(残業時間の削減)
  • 有給休暇の取得促進
  • 休憩室や更衣室の整備
  • 作業環境の安全性向上
  • 福利厚生の充実(社員食堂、社宅など)

データの活用: 定期的に労働時間や有給取得率をモニタリングし、問題があれば即座に改善します。

方法⑧:社内イベントでコミュニケーション活性化

横のつながりが離職を防ぐ

職場の人間関係が良好であれば、多少の不満があっても「この仲間と一緒に働きたい」という思いが離職を抑止します。

効果的な社内イベント:

  • 新入社員歓迎会
  • 部署対抗のスポーツ大会
  • バーベキューや社員旅行
  • 誕生日会
  • 社内サークル活動

注意点: 強制参加にせず、自由参加の形にすることで、プレッシャーを感じさせません。

方法⑨:採用段階でのミスマッチ防止

入口を正すことが最も効果的

離職の原因の多くは、採用時のミスマッチにあります。入社前に正確な情報を提供し、仕事内容や職場環境を理解してもらうことが重要です。

ミスマッチを防ぐ方法:

  • 応募前職場見学の実施
  • インターンシップの導入
  • 先輩社員との懇談会
  • 求人票に正確な情報を記載(残業時間、休日日数など)
  • 選考過程で会社の良い点・悪い点を正直に伝える

ゆめアカでは、インターンシップを通じて高校生に実際の仕事を体験してもらうことで、ミスマッチを大幅に減らしています。その結果、インターンシップ経由で採用した若手社員の3年離職率は16.5%と、一般的な37.0%の半分以下を実現しています。

方法⑩:退職者の声を活かす改善サイクル

退職理由を分析し、次に活かす

残念ながら退職してしまった社員がいる場合、その理由を丁寧にヒアリングし、組織改善に活かすことが重要です。

退職面談での質問例:

  • 「退職を決めた一番の理由は何ですか?」
  • 「入社前と入社後で、ギャップを感じた点はありますか?」
  • 「会社や上司に改善してほしかったことはありますか?」
  • 「どんな制度や環境があれば、続けられたと思いますか?」

改善サイクル:

  1. 退職理由の記録・分析
  2. 共通する問題点の特定
  3. 改善策の立案・実施
  4. 効果測定

成功事例:離職率16.5%を実現する企業

インターンシップ経由採用が定着率を高める

ゆめアカが支援する企業では、インターンシップを活用した採用を実施しています。インターンシップ経由で採用した若手社員の3年離職率は16.5%と、一般的な37.0%と比べて大幅に低い数値を記録しています。

成功の理由:

  1. 入社前に仕事を体験できる インターンシップで実際の業務を体験することで、「思っていた仕事と違った」というミスマッチを防げます。

  2. 企業と学生が相互理解できる 企業側も高校生の適性を見極められ、高校生側も職場の雰囲気や仕事内容を理解した上で入社を決められます。

  3. 入社後のギャップが少ない インターンシップを経験しているため、入社後の環境に早く適応でき、離職リスクが低下します。

東海3県40校とのネットワークを活かした支援

株式会社ゆめスタのゆめアカでは、東海3県40校とのネットワークを活かし、インターンシップの設計から実施、採用後の定着支援まで一貫してサポートしています。

実際に、3年間採用ゼロだった企業が、ゆめアカの支援により4名の高卒採用に成功し、全員が1年以上定着している事例もあります。


まとめ

重要ポイント

  • 高卒新卒者の3年離職率は37.0%と高く、特に1年目の離職率15.1%が最大の課題
  • 離職の主な原因は「人間関係」「労働条件への不満」「仕事のミスマッチ」の3つ
  • 離職率を下げる10の方法を組み合わせることで、3年定着率80%以上を実現可能
  • インターンシップ経由採用は、離職率を16.5%に抑える効果的な手法

次にすべきこと

  1. 現状の離職率を把握する 自社の離職率(1年・3年)を計算し、業界平均と比較しましょう。

  2. 退職者の理由を分析する 過去3年間の退職者の理由を洗い出し、共通点を見つけます。

  3. 優先順位をつけて施策を実施する 10の方法の中から、自社の課題に最も効果的な施策を2〜3個選び、まず実施してみましょう。

  4. インターンシップの導入を検討する 採用段階でのミスマッチを防ぐため、インターンシップの導入を検討してください。

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最大の原因は「入社前と入社後のギャップ」です。仕事内容、職場環境、人間関係などが想像と違うと感じると、早期離職につながります。インターンシップで事前に職場を体験してもらうことで、このギャップを大幅に減らせます。実際、インターン参加者の3年離職率は16.5%と、非参加者の38.4%と比べて半分以下です。

まずは「相性の良い先輩社員」を1対1で担当につけることから始めましょう。メンターの役割は「仕事を教える」ではなく「相談に乗る」ことです。週1回の1on1ミーティングを設定し、困りごとや不安を聞く時間を作るだけでも効果があります。メンター向けのマニュアルや研修も準備すると良いでしょう。

入社後3ヶ月間の「オンボーディング」が最重要です。この期間に「会社に必要とされている」「成長できている」と実感させることが鍵です。具体的には、歓迎会の実施、小さな成功体験の積み重ね、こまめなフィードバック、不安や悩みを聞く面談などを行います。

3年後・5年後・10年後のキャリアモデルを具体的に示すことが重要です。「入社1年目:基礎業務習得」「3年目:後輩指導」「5年目:リーダー候補」など、成長ステップを可視化します。また、先輩社員の成長ストーリーを語ることで、「自分も成長できる」とイメージさせることができます。

まずは「離職理由のヒアリング」です。退職者や在籍中の若手社員に、なぜ辞めたいと思ったのか、何があれば続けられたのかを聞き取ります。これにより、自社の課題が明確になります。次に、入社後3ヶ月間のオンボーディングプログラムを整備することをお勧めします。

はい、可能です。むしろ小さな会社の方が、社長や先輩社員との距離が近く、きめ細かいフォローができる強みがあります。メンター制度、定期面談、成長実感の可視化など、お金をかけずにできる施策も多くあります。重要なのは「若手社員を大切にする姿勢」を示すことです。

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