「職場見学の手応えは良かったのに、応募に至らなかった」「内定を出したのに辞退された」そんな経験はありませんか?
高卒採用では、生徒本人だけでなく、保護者の理解と納得が採用成功の大きなカギを握ります。高卒3年離職率が40%を超える現状において、保護者は「本当にこの会社で我が子が長く働けるのか?」を慎重に見極めています。
この記事では、職場見学や面接の場で保護者に安心してもらい、応募・内定承諾につなげるための具体的な方法を解説します。保護者の心配を理解し、適切に対応することで、採用成功率を大幅に高めることができます。
この記事で分かること
- 高卒採用で保護者対応が重要な理由
- 職場見学での保護者対応の具体的なポイント
- 面接・選考時の保護者への配慮事項
- 保護者向けの効果的な情報発信方法
読了時間: 約6分
目次
なぜ高卒採用で保護者対応が重要なのか
保護者の影響力は絶大
高校生の就職活動において、保護者の意見は大きな影響力を持ちます。
データが示す保護者の影響:
- 高校生の約70%が「保護者と相談して就職先を決める」と回答
- 保護者が反対した場合、約80%の生徒が応募を見送る
- 内定辞退理由の約30%は「保護者の反対」
つまり、どれだけ生徒本人が「この会社で働きたい」と思っても、保護者が納得しなければ採用に至らないケースが非常に多いのです。
保護者が心配している3つのこと
1. 長く働けるか?(離職率への不安)
高卒3年離職率は40.8%(2023年度)と、大卒の32%と比べて高い水準です。保護者は「すぐに辞めてしまうのではないか」「続けられない環境なのでは」と心配しています。
2. 安全に働けるか?(労働環境への不安)
製造業や建設業など、一部の業種では「危険な作業があるのでは」「長時間労働で体を壊すのでは」といった不安を抱えています。
3. 成長できるか?(将来性への不安)
「高卒で入社して、将来はどうなるのか?」「スキルアップやキャリアアップの機会はあるのか?」という長期的な視点での不安もあります。
保護者を味方にすれば採用成功率が上がる
逆に言えば、保護者に安心してもらい、「この会社なら我が子を任せられる」と思ってもらえれば、採用成功率は大幅に高まります。
保護者が安心すると起こること:
- 生徒の応募意欲が高まる
- 内定承諾率が上がる
- 入社後の定着率が向上する(保護者が応援してくれるため)
- 兄弟姉妹や親戚の紹介につながることも
株式会社ゆめスタが運営するゆめアカでは、保護者向けの情報提供や説明会の開催をサポートし、保護者の理解を得やすい採用活動をお手伝いしています。
職場見学での保護者対応5つのポイント
ポイント1: 保護者同伴を積極的に歓迎する
まず、職場見学では保護者の同伴を歓迎する姿勢を明確に示しましょう。
案内文の例: 「職場見学は保護者の方の同伴も歓迎いたします。お子様の将来に関わる大切な選択ですので、ぜひ一緒に会社の雰囲気をご覧ください」
実際のデータ:
- 保護者同伴の職場見学の応募率: 約60%
- 生徒のみの職場見学の応募率: 約45%
保護者が実際に職場を見ることで、安心感が生まれ、応募率が大幅に向上します。
ポイント2: 保護者向けの説明時間を確保する
職場見学のスケジュールに、保護者向けの説明時間を組み込みます。
推奨スケジュール例(2時間の場合):
- 10:00 会社概要説明(30分) ※保護者にも分かりやすく
- 10:30 工場・職場見学(45分)
- 11:15 質疑応答(30分) ※保護者の質問も歓迎
- 11:45 個別相談(15分) ※希望者のみ
特に質疑応答の時間では、「保護者の方からもぜひご質問ください」と明言することで、保護者が安心して質問できる雰囲気を作ります。
ポイント3: 保護者が気にするポイントを先回りして説明する
保護者が心配する内容を、こちらから積極的に説明します。
説明すべき内容:
-
教育・育成体制
- 「入社後3ヶ月はOJT担当の先輩が1対1で指導します」
- 「毎週1回、上司と面談して困っていることを相談できます」
-
安全対策
- 「入社前に2週間の安全教育を実施します」
- 「過去5年間で重大な事故は発生していません」
-
労働環境
- 「残業は月平均10時間以内です」
- 「年間休日120日、完全週休2日制です」
-
定着率
- 「過去3年間の新入社員の定着率は85%です」
- 「高卒入社の先輩社員が10名活躍しています」
-
キャリアパス
- 「入社5年目で主任、10年目で係長を目指せます」
- 「資格取得の費用は会社が全額負担します」
ポイント4: 先輩社員(高卒入社)との対話の機会を作る
実際に高卒で入社し、活躍している先輩社員と話せる機会を設けると、保護者の安心感が大きく高まります。
先輩社員に話してもらう内容:
- 入社のきっかけと決め手
- 入社前に不安だったことと、実際どうだったか
- 今の仕事内容とやりがい
- 会社の雰囲気やサポート体制
重要: 保護者は「親としての目線」で聞きたいこともあるため、先輩社員には「保護者の方からの質問にも答えてください」と事前に伝えておきます。
ポイント5: 職場の清潔さ・整理整頓を徹底する
保護者は職場の雰囲気を細かく観察しています。特に以下の点に注意しましょう。
チェックポイント:
- 床や机の整理整頓
- トイレや休憩室の清潔さ
- 従業員の表情や挨拶
- 安全掲示や注意喚起の掲示
「見た目」から受ける印象は、保護者の安心感に直結します。
面接・選考時の保護者への配慮
面接への保護者同席は柔軟に対応
高卒採用の面接では、保護者が同席を希望するケースもあります。基本的には認める方向で検討しましょう。
対応例: 「面接には保護者の方の同席も可能です。ただし、面接中は生徒さん本人に質問しますので、保護者の方には見学という形でお願いします」
保護者が面接の様子を見ることで、会社の誠実さや生徒への対応を直接確認でき、安心感につながります。
不適切な質問は絶対に避ける
面接で不適切な質問をすると、保護者からの信頼を失うだけでなく、学校との関係も悪化します。
NGな質問例:
- 家族構成や家庭環境に関する質問
- 思想・信条に関する質問
- 本籍地や出生地に関する質問
OKな質問例:
- 志望動機や興味のある仕事
- 高校生活で頑張ったこと
- 入社後にチャレンジしたいこと
選考結果の通知は丁寧に
内定通知や不合格通知は、生徒本人だけでなく、保護者にも配慮した内容にします。
内定通知の例: 「この度は、○○さんを内定者として迎えることができ、大変嬉しく思っております。保護者の皆様におかれましても、ご安心いただけるよう、全力でサポートしてまいります」
内定承諾後は、保護者向けに「入社までの流れ」や「会社の教育体制」を説明する資料を送付すると、さらに安心感が高まります。
保護者向け情報発信の効果的な方法
会社のウェブサイトに「保護者の方へ」ページを作る
採用ページに「保護者の方へ」という専用ページを設けることで、保護者が知りたい情報をまとめて提供できます。
掲載内容の例:
- 会社の安全対策と労働環境
- 高卒社員の定着率とキャリアパス
- 教育・研修制度
- 福利厚生
- 先輩社員(高卒入社)のインタビュー
会社パンフレットに保護者向けメッセージを入れる
求人パンフレットやリーフレットに、社長や採用担当者からの「保護者の皆様へ」というメッセージを掲載します。
メッセージ例: 「お子様の大切な進路選択に、私たちの会社を候補に入れていただき、ありがとうございます。当社では、高卒で入社した社員が安心して長く働けるよう、〇〇という教育体制を整えています。ぜひ一度、職場見学にお越しください」
保護者向け説明会を開催する
可能であれば、保護者向けの会社説明会を開催すると、さらに信頼関係が深まります。
開催例:
- 時期: 6月〜7月(応募前職場見学の時期)
- 内容: 会社説明、職場見学、先輩社員との懇談、質疑応答
- 参加者: 生徒と保護者(生徒のみの参加も可)
ゆめアカでは、東海3県40校とのネットワークを活かし、保護者向け説明会の企画・運営サポートも行っています。保護者の理解を得ることで、採用成功率と入社後の定着率が大幅に向上します。
まとめ
重要ポイント
- 高卒採用では保護者の理解と納得が採用成功の大きなカギ
- 保護者は「長く働けるか」「安全に働けるか」「成長できるか」を心配している
- 職場見学では保護者同伴を歓迎し、保護者向けの説明時間を確保する
- 先輩社員(高卒入社)との対話の機会を作ると、保護者の安心感が高まる
- 会社のウェブサイトやパンフレットに「保護者の方へ」のメッセージを掲載する
- 面接では不適切な質問を避け、誠実な対応を心がける
次にすべきこと
- 職場見学の案内に「保護者同伴歓迎」を明記する
- 保護者向けの説明資料を準備する
- 高卒入社の先輩社員に保護者対応の協力を依頼する
- 会社のウェブサイトに「保護者の方へ」ページを作成する
- ゆめアカに相談する: 保護者対応のノウハウや説明会のサポートを活用
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保護者対応に不安がある、どう説明すればいいか分からないという企業様は、ぜひゆめアカにご相談ください。東海3県40校とのネットワークを活かし、保護者の信頼を得られる採用活動をサポートします。
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