学校連携・一者二社制

求人票の書き方完全ガイド|学校に選ばれる求人の5つの要素

著者: 株式会社ゆめスタ
求人票の書き方完全ガイド|学校に選ばれる求人の5つの要素

「求人票を出しても、全く応募が来ない」「他社の求人票と何が違うのか分からない」そんな悩みを抱えていませんか?

高卒採用において、求人票は企業の第一印象を決める最重要ツールです。しかし、多くの中小企業が、最低限の情報だけを記載した「そっけない求人票」を提出し、学校からスルーされています。

進路指導の先生は、数十社、場合によっては100社以上の求人票に目を通します。その中で、生徒に紹介したいと思える企業は、ほんの一握りです。つまり、求人票で差をつけなければ、推薦は獲得できないのです。

この記事では、学校に選ばれる求人票の書き方、必須記載項目、そして絶対に避けるべきNG表現を具体的に解説します。

この記事で分かること

  • 高卒求人票の提出スケジュールと基本ルール
  • 必須記載項目と若年者雇用情報
  • 学校に選ばれる求人票の5つの要素
  • 具体的な書き方のコツと事例
  • 求人票で絶対にやってはいけないNG表現

読了時間: 約8分


目次

  1. 高卒求人票の基本ルール
  2. 必須記載項目と若年者雇用情報
  3. 学校に選ばれる求人票の5つの要素
  4. 具体的な書き方のコツと事例
  5. 求人票で絶対にやってはいけないNG表現
  6. まとめ

高卒求人票の基本ルール

高卒採用の求人票提出スケジュール

高卒採用の求人票には、厳格なスケジュールがあります。

4月下旬〜5月: 高卒求人申込説明会

  • ハローワークで開催される説明会に参加
  • 求人票の書き方、提出方法、注意事項を確認

6月1日〜: 求人申込受付開始

  • ハローワークに求人申込書【高卒】を提出
  • 管轄のハローワークで受付

7月1日: 求人票公開

  • 学校へ求人票が公開される
  • この日が採用活動のスタートライン

7月〜9月: 選考期間

  • 学校推薦、職場見学、選考、内定

10月1日: 内定解禁日

  • 正式に内定を出せる日

高卒求人票の特徴

高卒求人票は、大卒向けの求人とは異なる特徴があります。

特徴①: ハローワーク経由が必須 高卒採用では、ハローワークを通じた求人票の提出が義務付けられています。民間の求人サイトだけでは応募できません。

特徴②: 一者二社制 生徒が同時に応募できる企業数が制限されています(7月〜10月は1社のみ、11月以降は2社まで)。

特徴③: 学校推薦が重要 進路指導の先生の推薦がなければ、ほとんど応募は来ません。求人票の内容が推薦の判断材料になります。

特徴④: 保護者も見る 高校生の就職では、保護者の同意が重要です。求人票は保護者も読むことを前提に書く必要があります。


必須記載項目と若年者雇用情報

求人票の必須記載項目

高卒求人票には、以下の項目が必須です。

1. 事業内容

  • 何を作っている会社か、どんなサービスを提供しているか
  • 具体的に、分かりやすく記載

2. 職種と仕事内容

  • どんな仕事を担当するのか
  • 「製造業務全般」ではなく、具体的な作業内容を記載

3. 雇用形態

  • 正社員、契約社員、パート・アルバイトなど
  • 高卒採用では「正社員」が基本

4. 契約期間

  • 正社員の場合は「期間の定めなし」
  • 試用期間がある場合は明記

5. 就業場所

  • 勤務地の住所
  • 転勤の可能性がある場合は明記

6. 就業時間

  • 始業時刻・終業時刻
  • 休憩時間
  • 残業の有無と平均時間

7. 休日・休暇

  • 週休2日制か完全週休2日制か
  • 年間休日数
  • 有給休暇の取得状況

8. 賃金

  • 基本給(月給または時給)
  • 各種手当(残業手当、通勤手当など)
  • 賞与の有無と実績
  • 昇給の有無と実績

9. 加入保険

  • 雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険
  • 社会保険完備は最低条件

10. 募集人数

  • 何名採用予定か

11. 採用担当者

  • 氏名、連絡先(電話番号、メールアドレス)

若年者雇用情報(重要)

2015年の法改正により、若年者(35歳未満)の採用では、若年者雇用情報の提供が義務付けられています。

特に高卒採用では、以下の3つの情報を求人票に記載することが推奨されています。

①過去3年間の採用者数と離職者数

  • 採用実績: 2022年2名、2023年3名、2024年2名
  • 離職者数: 2022年0名、2023年1名、2024年0名

②研修内容と期間

  • 入社前研修: 3日間(ビジネスマナー、安全教育)
  • 新入社員研修: 1ヶ月(OJT、先輩社員によるマンツーマン指導)
  • フォローアップ研修: 入社3ヶ月後、6ヶ月後に実施

③メンター制度の有無

  • 先輩社員がマンツーマンでサポート
  • 月1回の面談でフォローアップ

若年者雇用情報を充実させることで、先生や保護者は「この企業は若手育成に力を入れている」と安心します。


学校に選ばれる求人票の5つの要素

進路指導の先生が「この企業を生徒に紹介したい」と思う求人票には、5つの共通点があります。

要素①: 明確でシンプルな言葉で書かれている

求人票は、高校生、先生、保護者が読みます。専門用語や業界用語は避け、誰が読んでも分かる言葉で書きましょう。

NG例: 「当社はBtoB向けソリューション事業を展開し、グローバルサプライチェーンの最適化を支援しています。」

OK例: 「当社は、企業向けに在庫管理システムを提供しています。トヨタやホンダなど大手企業と取引があり、部品の在庫管理を効率化するお手伝いをしています。」

ポイント:

  • 中学生でも理解できる言葉で書く
  • カタカナ語、専門用語は最小限に
  • 具体的な企業名(許可があれば)を出すと信頼性が高まる

要素②: 具体的な仕事内容が書かれている

「製造業務全般」「営業職」といった抽象的な表現ではなく、1日の業務の流れが分かるように書きます。

NG例: 「製造業務全般を担当していただきます。」

OK例: 「自動車部品の組立業務を担当していただきます。

【1日の流れ】

  • 8:00 朝礼、作業指示の確認
  • 8:30 部品の組立作業(先輩社員と一緒に)
  • 12:00 休憩(昼食)
  • 13:00 組立作業の続き
  • 15:00 完成品の検査
  • 16:45 清掃、明日の準備
  • 17:00 終業

入社後3ヶ月は先輩社員がマンツーマンで指導しますので、未経験でも安心して働けます。」

ポイント:

  • 時間ごとの業務内容を示す
  • 「未経験でも大丈夫」という安心感を伝える
  • 先輩社員のサポート体制を明記

要素③: 充実した研修・育成情報が書かれている

高校生は社会人経験ゼロです。**「どう育ててくれるのか」**が、先生も保護者も最も気にするポイントです。

記載すべき情報:

  • 入社前研修: どんな内容を何日間実施するか
  • 新入社員研修: OJT期間、指導担当者の有無
  • フォローアップ研修: 定期的な面談やスキルアップ研修
  • 資格取得支援: 会社が費用負担する資格、受験のサポート体制
  • メンター制度: 先輩社員による継続的なサポート

具体例: 「【研修制度】

  • 入社前研修(3日間):ビジネスマナー、会社のルール、安全教育
  • 新入社員研修(1ヶ月):先輩社員によるマンツーマン指導で基礎を習得
  • 資格取得支援:旋盤技能士2級、フォークリフト運転技能講習など、会社が全額負担

【メンター制度】 入社3年目の先輩社員が専属メンターとして付き、月1回の面談でフォローアップします。困ったことがあれば、いつでも相談できる環境です。」

要素④: 正直で透明性の高い労働条件が書かれている

求人票と実際の労働環境が異なると、生徒が早期離職し、学校からの信頼は完全に失われます。

正直に書くべき項目:

  • 残業時間: 月平均〇〇時間(実績ベース)
  • 休日: 年間休日〇〇日(会社カレンダーによる)
  • 有給休暇取得率: 平均〇〇%
  • 試用期間: 3ヶ月(試用期間中の給与や条件も明記)
  • 転勤: 可能性の有無、頻度

NG: 「残業ほぼなし」→実際は月30時間 OK: 「残業月平均20時間(繁忙期は30時間程度)」

先生は、正直な情報を評価します。 「少しハードだけど、成長できる環境」と正直に書く方が、「残業なし」と書いて実際は違う、よりも信頼されます。

要素⑤: 会社の魅力が伝わる工夫がある

求人票の自由記述欄を活用し、会社の魅力を伝えましょう。

書くべき内容:

  • 会社の強み: 業界シェア、技術力、取引先の実績
  • 若手の活躍事例: 入社3年目でリーダーに昇格など
  • 職場の雰囲気: アットホーム、風通しが良い、質問しやすい
  • 福利厚生: 社員旅行、誕生日休暇、食事補助など
  • 社長メッセージ: 「一緒に会社を成長させよう」といった熱意

具体例: 「【当社の強み】 創業50年の老舗企業で、愛知県内のトヨタグループ企業と長年取引があります。安定した経営基盤のもと、若手社員が活躍できる環境を整えています。

【若手の活躍】 昨年入社した22歳の社員は、入社2年目で班長に昇格し、後輩の指導を任されています。

【社長からのメッセージ】 『若い力が会社の未来を作ります。一人ひとりを大切に育て、長く働ける環境を目指しています。一緒に会社を成長させましょう!』」

株式会社ゆめスタが運営するゆめアカでは、求人票の添削サポートも行っています。学校に選ばれる求人票を作成したい企業様は、ぜひご相談ください。


具体的な書き方のコツと事例

コツ①: 数字を使って具体性を出す

抽象的な表現ではなく、数字で示すことで説得力が増します。

NG例: 「待遇が良いです」 OK例: 「平均年収450万円、年間休日120日、有給休暇取得率80%」

NG例: 「若手が活躍しています」 OK例: 「従業員30名のうち、20代が12名(40%)。平均年齢32歳の若い会社です」

コツ②: 生徒と保護者の不安を解消する

高校生と保護者が不安に思うことを先回りして答えましょう。

不安①: 「未経験で大丈夫か?」 回答: 「入社者全員が未経験スタートです。3ヶ月間、先輩社員がマンツーマンで指導します。」

不安②: 「すぐ辞めたくならないか?」 回答: 「過去3年間で採用した7名のうち、6名が在籍中です(定着率85%)」

不安③: 「将来が不安」 回答: 「入社5年目で主任、10年目で係長への昇進実績があります。キャリアパスが明確です。」

コツ③: 写真や動画のQRコードを活用

求人票に、会社ホームページや採用動画のQRコードを載せることで、より詳しい情報を提供できます。

効果的なコンテンツ:

  • 職場の雰囲気を伝える動画
  • 若手社員のインタビュー
  • 1日の業務の流れを紹介する写真

求人票で絶対にやってはいけないNG表現

NG①: 曖昧な表現

NG: 「給与: 応相談」 OK: 「基本給18万円〜20万円(経験により優遇)」

NG: 「残業: ほぼなし」 OK: 「残業: 月平均15時間」

NG: 「休日: 週休2日制」(週によっては週1日休みの可能性) OK: 「休日: 完全週休2日制(土日)、年間休日120日」

NG②: 虚偽の情報

絶対にNG:

  • 求人票に書いた給与より実際は低い
  • 「残業なし」と書いて実際は毎日2時間残業
  • 「社会保険完備」と書いて実際は加入していない

一度でも虚偽が発覚すると、学校からの信頼は完全に失われ、翌年以降の推薦は得られません。

NG③: 差別的・限定的な表現

以下のような表現は法律で禁止されています。

NG:

  • 「男性のみ募集」(性別による制限)
  • 「〇〇高校出身者優遇」(特定の学校への優遇)
  • 「明るく元気な人」(主観的な表現は避ける)

OK:

  • 「男女問わず募集」
  • 「高卒以上」
  • 「未経験歓迎」

NG④: ネガティブな表現

NG: 「体力に自信のある方」(= きつい仕事と受け取られる) OK: 「体を動かす仕事が好きな方歓迎」

NG: 「厳しい環境で成長したい方」(= ブラック企業と受け取られる) OK: 「チャレンジ精神のある方歓迎。先輩社員が丁寧に指導します」


まとめ

重要ポイント

  • 求人票は企業の第一印象を決める最重要ツール: 学校推薦を獲得できるかが決まる
  • 提出スケジュール: 6月1日から受付、7月1日公開
  • 必須記載項目: 事業内容、職種、雇用形態、勤務地、労働時間、賃金、保険、採用担当者など
  • 若年者雇用情報が重要: 採用・離職実績、研修内容、メンター制度を明記
  • 学校に選ばれる求人票の5つの要素: 明確な言葉、具体的な仕事内容、充実した研修情報、正直な労働条件、会社の魅力
  • 絶対にNG: 曖昧な表現、虚偽の情報、差別的表現、ネガティブな表現

次にすべきこと

  1. 現在の求人票を見直す: 5つの要素が含まれているか確認
  2. 若年者雇用情報を充実させる: 採用実績、研修内容、メンター制度を具体的に記載
  3. 数字で具体性を出す: 給与、休日、残業時間、定着率などを明確に
  4. 先生の立場で読み直す: 「この企業に生徒を送り出したいか?」と自問する
  5. 専門家に相談する: ゆめアカに求人票の添削を依頼

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この記事は、株式会社ゆめスタが運営するゆめスタアカデミー(ゆめアカ)が提供しています。 高卒採用・インターンシップ支援の実績とノウハウをもとに、 中小企業の採用成功をサポートしています。

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