インターンシップ導入・運営

中小企業がインターンシップを導入すべき5つの理由

著者: 株式会社ゆめスタ
中小企業がインターンシップを導入すべき5つの理由

「高校生の応募が全く来ない」「大手企業に人材を取られてしまう」「求人を出しても反応がない」——中小企業の経営者なら、誰もが一度は直面する採用の悩みです。

実際に、高卒採用の求人倍率は4.67倍(2024年3月卒)と、大卒の1.7倍を大きく上回っています。つまり、1人の高校生を5社近くで奪い合う超売り手市場です。

しかし、大手企業との採用競争に勝てないと諦める必要はありません。インターンシップを導入することで、中小企業でも採用成功率を3倍に高めることができます。

この記事では、中小企業がインターンシップを導入すべき5つの理由と、実際に採用ゼロから脱却した企業の成功事例を詳しく解説します。

この記事で分かること

  • 中小企業がインターンシップで大手に勝てる理由
  • インターンシップ導入で得られる5つの具体的なメリット
  • 導入のハードルと現実的な解決策
  • 採用ゼロから脱却した中小企業の成功事例
  • 今すぐ始められる具体的なステップ

読了時間: 約8分


目次

  1. 中小企業の採用が難しい3つの理由
  2. インターンシップを導入すべき5つの理由
  3. 中小企業がインターンシップで勝てる理由
  4. 導入のハードルと現実的な解決策
  5. 採用ゼロから脱却した成功事例
  6. まとめ

中小企業の採用が難しい3つの理由

理由1: 圧倒的な知名度不足

高校生は「知っている会社」にしか応募しません。

  • 大手企業: テレビCM、有名製品、親や先生が知っている
  • 中小企業: 地域では有名でも、高校生には全く知られていない

結果: 求人票を出しても、そもそも見てもらえない。

理由2: 学校推薦を獲得できない

高卒採用では「一者二社制」により、学校推薦を得られるかどうかが決定的に重要です。

進路指導の先生は、信頼できる企業にしか生徒を推薦しません。

  • 大手企業: 過去の実績、卒業生の活躍、安定性で信頼されている
  • 中小企業: 先生との関係がなく、推薦してもらえない

結果: 優秀な学生は大手企業に流れてしまう。

理由3: 入社前にリアルを見せられていない

高校生は「この会社で働くイメージ」を持てないと応募しません。

  • 大手企業: 充実した会社説明会、工場見学、OB訪問制度
  • 中小企業: 求人票と短時間の職場見学のみ

結果: 「よく分からない」という理由で応募を避けられる。


インターンシップを導入すべき5つの理由

理由1: 採用成功率が3倍に上がる

インターンシップを実施している企業は、未実施企業と比べて採用成功率が約3倍高いというデータがあります。

企業タイプ 採用成功率
インターンシップ未実施企業 約20%
インターンシップ実施企業 約60%

なぜここまで差が出るのか?

インターンシップ参加者の応募率が圧倒的に高いからです。

  • 一般応募: 「とりあえず応募してみた」(志望度:低)
  • インターンシップ経由: 「絶対にこの会社で働きたい」(志望度:高)

実例: 従業員45名の鋳物製造A社は、インターンシップ導入前は3年連続採用ゼロでしたが、導入後は応募率80%を達成し、3年間で9名の採用に成功しました。

理由2: 離職率が半分以下になる

インターンシップ経由で採用した若手社員の3年離職率は**16.5%**と、一般的な37.0%の半分以下に抑えられています。

採用方法 3年離職率 定着率
一般採用 37.0% 63.0%
インターンシップ経由採用 16.5% 83.5%

離職率が下がる理由:

  1. 入社前後のギャップがない: インターンシップで仕事のリアルを体験済み
  2. 人間関係が既に構築されている: 入社前から顔見知りの先輩がいる
  3. 仕事への適性を見極めている: お互いに「合う・合わない」を確認できている
  4. 企業への愛着が強い: 「受け入れてくれた会社」という感謝の気持ち

コスト削減効果:

1人の若手社員が離職すると、採用コスト(50万円)+ 教育コスト(100万円)= 150万円が無駄になります。

10人採用した場合:

  • 一般採用(離職率37%): 約4人が離職 → 600万円の損失
  • インターンシップ経由(離職率16.5%): 約1.5人が離職 → 225万円の損失
  • 差額: 375万円のコスト削減

理由3: 学校からの信頼が厚くなる

インターンシップを継続的に実施している企業は、進路指導の先生から高く評価されます。

先生が評価するポイント:

  • 「生徒を丁寧に受け入れてくれる会社」
  • 「インターンシップでの評判が良い」
  • 「卒業生が元気に働いている」

この信頼が、一者二社制における学校推薦の獲得につながります。

株式会社ゆめスタが運営するゆめアカでは、東海3県40校とのネットワークを活かし、インターンシップを継続的に実施している企業に対して、学校側から積極的に生徒を推薦してくれる関係を構築しています。

実例: 自動車部品製造B社は、3年連続でインターンシップを実施したことで、進路指導の先生から「毎年生徒を送りたい」と言われるようになり、前年比75%増の採用実績を達成しました。

理由4: 採用コストが削減できる

インターンシップは一見コストがかかるように見えますが、長期的には採用コストを大幅に削減できます。

従来の採用活動のコスト:

  • 求人広告費: 年間30万円
  • 学校訪問の交通費・時間: 年間20万円
  • 職場見学対応の人件費: 年間10万円
  • 合計: 約60万円

しかし、採用できなければこのコストは全て無駄になります。

インターンシップ導入後のコスト:

  • インターンシップ運営費: 年間40万円
  • 交通費・昼食代: 年間10万円
  • 合計: 約50万円

採用成功率が3倍になるため、実質的な1人あたりの採用コストは3分の1になります。

さらに、離職率が下がることで、追加採用の必要性も減少します。

理由5: 社員の成長につながる

インターンシップは、受け入れる企業側にも大きなメリットがあります。

社員が成長する3つの理由:

1. 教える力が身につく

高校生にわかりやすく仕事を教えることで、先輩社員が「教える力」を養います。

  • 「なぜこの作業が必要なのか」を言語化する
  • 「どう伝えれば理解してもらえるか」を考える
  • 「安全に作業させるには何を注意すべきか」を意識する

これは、将来の後輩指導やOJTに直結するスキルです。

2. 仕事を見直す機会になる

高校生から「なぜこうするんですか?」と質問されることで、普段当たり前にやっている作業の意味を再確認できます。

実例: 製造業C社では、インターンシップ生から「この工程は効率化できるのでは?」と指摘され、実際に改善につながった事例があります。

3. 職場が活性化する

若い世代を受け入れることで、職場に新しい風が吹きます。

  • 「良いところを見せたい」という意識が芽生える
  • コミュニケーションが増える
  • 「若手を育てる」という意識が社内に広がる

中小企業がインターンシップで勝てる理由

大手企業にはできない3つの強み

中小企業には、大手企業にはない独自の強みがあります。

強み1: 経営者との距離が近い

中小企業では、インターンシップ中に経営者と直接話す機会を作れます。

  • 「社長の想い」を直接聞ける
  • 「この会社の将来」を語ってもらえる
  • 「自分の成長ストーリー」を共有してもらえる

高校生にとって、「社長と直接話せた」という体験は非常に印象に残ります。

強み2: 幅広い仕事を体験できる

大手企業では分業が進んでいるため、インターンシップでも限られた業務しか体験できません。

中小企業では、複数の業務を経験できます。

  • 製造、検査、梱包、出荷まで一連の流れを体験
  • 営業、事務、現場など複数部署を見学
  • 「会社全体の仕事」を理解できる

強み3: 柔軟なプログラム設計

大手企業では、インターンシップのプログラムが固定化されています。

中小企業では、学生の希望や学校のスケジュールに合わせて柔軟に対応できます。

  • 3日間、5日間、1週間など期間を調整
  • 「ものづくり体験」「設計体験」など内容をカスタマイズ
  • 先輩社員との座談会、工場見学など自由に組み合わせ

導入のハードルと現実的な解決策

ハードル1: 「人手が足りない」

よくある懸念: 「インターンシップ生を受け入れる余裕がない。ただでさえ人手不足なのに」

解決策: インターンシップは「負担」ではなく「投資」です。

  • 受け入れ期間は3〜5日間のみ(短期集中型)
  • 担当社員は1〜2名で十分
  • 簡単な作業から始めれば、むしろ戦力になる

実際に、物流会社C社では、インターンシップ生が荷物の仕分け作業を手伝うことで、繁忙期の人手不足解消に貢献しました。

ハードル2: 「何をやらせればいいか分からない」

よくある懸念: 「高校生に何をやってもらえばいいのか分からない」

解決策: インターンシッププログラムは、専門家のサポートを受けながら設計できます。

ゆめアカでは、以下の支援を行っています。

  • 業種に合わせたプログラム設計
  • 受け入れマニュアルの提供
  • 当日の運営サポート
  • 学校との調整代行

基本プログラム例(製造業の場合):

  • 1日目: 会社紹介、工場見学、安全教育
  • 2日目: 簡単な作業体験(部品の仕分け、検査など)
  • 3日目: 実際の製造ラインでの作業(先輩と一緒に)
  • 4日目: 技術者の仕事を見学、質疑応答
  • 5日目: まとめ、振り返り、感想共有

ハードル3: 「学校とのつながりがない」

よくある懸念: 「学校との関係がないので、インターンシップを実施できない」

解決策: 学校との関係構築には通常3年以上かかりますが、ゆめアカを活用することでスタート地点を大幅に短縮できます。

東海3県40校とのネットワークを活かし、以下をサポートします。

  • 地域の高校への紹介
  • 進路指導の先生との橋渡し
  • 学校訪問への同行
  • インターンシップ受け入れ企業としての登録支援

採用ゼロから脱却した成功事例

事例1: 鋳物製造A社(従業員45名)

課題:

  • 高卒採用3年連続ゼロ
  • 平均年齢55歳、若手不足で技術継承が危機
  • 求人を出しても全く応募が来ない

施策: 工業高校との5日間インターンシップを開始

プログラム内容:

  • 鋳物の歴史と魅力の講義
  • 実際の鋳造作業の見学
  • 簡単な型づくり体験
  • ベテラン職人との座談会
  • 工場全体の見学

結果:

  • 1年目: インターンシップ参加者3名 → 2名採用
  • 2年目: インターンシップ参加者5名 → 3名採用
  • 3年目: インターンシップ参加者6名 → 4名採用
  • 3年離職率: 0%(9名全員が定着)

成功要因: 「鋳物づくりの面白さ」を体験してもらい、「ものづくりの誇り」を共有できたこと。

事例2: 自動車部品製造B社(従業員120名)

課題:

  • 採用しても1年以内に50%が退職
  • 採用コストが年間300万円に膨らむ
  • 離職による生産性低下

施策: 3日間の短期インターンシップ導入、先輩社員との座談会を重視

プログラム内容:

  • 会社紹介・工場見学(半日)
  • 実際の組立ラインでの作業体験(1日)
  • 若手社員(入社3年目)との本音座談会(半日)
  • 品質管理・検査業務の見学(半日)
  • まとめ・質疑応答(半日)

結果:

  • インターンシップ参加者の応募率: 80%
  • インターンシップ経由採用の1年離職率: 10%(従来50%から大幅改善)
  • 採用数: 前年比75%増
  • 採用コスト: 年間180万円に削減(120万円削減)

成功要因: 先輩社員との座談会で「入社後のリアル」を率直に伝えたことで、入社前後のギャップが解消された。

事例3: 物流会社C社(従業員35名)

課題:

  • 知名度が低く、応募者がゼロ
  • 「きつい、汚い、危険」のイメージ
  • 地元の商業高校との接点がない

施策: 商業高校との連携で3日間インターンシップを開始

プログラム内容:

  • 物流の社会的役割についての講義
  • 倉庫管理システムの体験
  • フォークリフトの見学(実際に乗せてもらえる)
  • 配送ルート作成の体験
  • ドライバーへの同乗体験

結果:

  • インターンシップ参加者8名 → 3名採用
  • 3年離職率: 0%(3名全員が定着)
  • 応募者数: 前年0名 → 今年8名
  • 学校からの評価: 「生徒に人気のインターンシップ先」として認知

成功要因: 物流の仕事を「ただの荷物運び」ではなく、「社会を支えるインフラ」として伝えたことで、仕事への誇りを持って入社できた。


まとめ

重要ポイント

  • 中小企業こそインターンシップで大手に勝てる: 経営者との距離、幅広い業務体験、柔軟なプログラムという3つの強み
  • 採用成功率が3倍に上がる: インターンシップ参加者の志望度が圧倒的に高い
  • 離職率が半分以下になる: 入社前後のギャップがなく、3年定着率83.5%を実現
  • 学校からの信頼を獲得できる: 一者二社制において学校推薦を得られる
  • 採用コストが削減できる: 実質的な1人あたりの採用コストは3分の1
  • 社員が成長する: 教える力、仕事の見直し、職場の活性化

次にすべきこと

  1. 現在の採用状況を振り返る: 過去3年間の応募者数、採用数、離職率を確認
  2. インターンシップの実施可能性を検討する: 受け入れ可能な期間、担当社員、プログラム内容をイメージ
  3. 地域の高校をリストアップする: 工業高校、商業高校、普通科高校を調査
  4. 専門家に相談する: インターンシップ導入の具体的なステップを相談

ゆめアカへのご相談はこちら

高卒採用やインターンシップの導入でお悩みの企業様は、ぜひゆめアカにご相談ください。東海3県40校とのネットワークを活かし、貴社の採用成功を全力でサポートします。インターンシッププログラムの設計から学校との調整、当日の運営サポートまでワンストップで支援いたします。

2025年度は、ゆめアカの支援により3社で14名の採用に成功し、インターンシップ経由採用の3年離職率は16.5%と、一般的な37.0%を大幅に下回る実績を上げています。

お問い合わせ


関連記事

この記事は、株式会社ゆめスタが運営するゆめスタアカデミー(ゆめアカ)が提供しています。 高卒採用・インターンシップ支援の実績とノウハウをもとに、 中小企業の採用成功をサポートしています。

高卒採用・インターンシップのご相談は
ゆめアカにお任せください

東海3県40校との強固なネットワーク

2025年度14名の採用実績(3社合計)

インターンシップ経由の離職率16.5%(通常40%)

実績ある経営陣による手厚いサポート

お電話でのお問い合わせ:090-4264-9939(平日 9:00-18:00)

よくある質問

この記事に関連するよくある質問

インターンシップ参加者の応募率が圧倒的に高いからです。一般応募は「とりあえず応募してみた」という志望度の低い状態ですが、インターンシップ経由は「絶対にこの会社で働きたい」という高い志望度で応募します。実際の仕事を体験し、社員と交流することで企業理解が深まり、応募意欲が高まります。

入社前後のギャップがないことが最大の理由です。インターンシップで仕事のリアルを体験済みで、人間関係も既に構築されており、仕事への適性も見極めているため、ミスマッチが少なくなります。また、「受け入れてくれた会社」という感謝の気持ちから企業への愛着が強く、定着率が高まります。

中小企業には大手にはない3つの強みがあります。①経営者との距離が近く社長の想いを直接聞ける、②分業が進んでいないため製造から出荷まで幅広い仕事を体験できる、③学生の希望やスケジュールに合わせて柔軟にプログラムを調整できる。これらの強みを活かすことで、大手企業との採用競争に勝てます。

目的によって異なりますが、採用につなげたい場合は3~5日間の短期集中型がおすすめです。製造業の例では、1日目に会社紹介と工場見学、2~3日目に実際の作業体験、4日目に技術者の仕事見学、5日目にまとめと振り返りを行います。短期間でも濃密な体験を提供することで、十分な効果が得られます。

インターンシップは「負担」ではなく「投資」と考えましょう。受け入れ期間は3~5日間のみで、担当社員は1~2名で十分です。簡単な作業から始めれば、むしろ戦力になります。実際に物流会社では、インターンシップ生が荷物の仕分け作業を手伝うことで繁忙期の人手不足解消に貢献した事例もあります。

実質的な1人あたりの採用コストは3分の1になります。従来の採用活動コスト(求人広告費、学校訪問、職場見学対応)は年間約60万円ですが、採用できなければ無駄になります。インターンシップ運営費は年間約50万円ですが、採用成功率が3倍になるため実質コストが大幅に下がります。さらに離職率が下がることで追加採用の必要性も減少します。

タグ

インターンシップ中小企業高卒採用採用戦略