「インターンシップを実施したけど、学校から次の依頼が来ない」「学校との関係がうまく築けない」そんな悩みを抱えていませんか?
実際に、インターンシップを1回実施しただけで学校との関係が途絶えてしまう企業は少なくありません。学校側は、高校生を預ける企業に対して高い基準を持っており、運営の質が継続的な受け入れの鍵となります。
しかし、学校が求めるポイントを押さえた運営を行うことで、学校から信頼され、継続的にインターンシップ受け入れを依頼される関係を築けます。実際に、インターンシップ経由で採用した若手社員の3年離職率は16.5%と、一般的な40.8%と比べて大幅に低く、継続的な受け入れは採用成功にもつながります。
この記事では、学校から信頼されるインターンシップ運営の3つのポイントを、具体的に解説します。
この記事で分かること
- 学校がインターンシップ受け入れ企業に求めること
- 信頼される運営の3つのポイント
- 報告・連携・安全管理の具体的な方法
- 学校との長期的な関係構築の秘訣
- よくある失敗パターンと対策
読了時間: 約6分
目次
- 学校が企業に求めること
- ポイント1: 丁寧な報告とコミュニケーション
- ポイント2: 学校の教育目標との連携
- ポイント3: 徹底した安全管理と配慮
- 継続的な関係を築くために
- よくある失敗パターンと対策
- まとめ
学校が企業に求めること
学校の役割と責任
高校生インターンシップは、学校教育の一環として実施されます。学校側は、高校生を企業に預ける責任を負っており、以下のことを企業に求めています。
学校が企業に求めること:
- 高校生の安全を最優先すること
- 教育的意義のあるプログラムを提供すること
- 丁寧な報告と連絡を行うこと
- 高校生を尊重し、適切に接すること
- 学校の教育方針を理解し、協力すること
これらを満たすことで、学校からの信頼を得られます。
学校にとってのインターンシップの意義
学校がインターンシップを実施する目的を理解することも重要です。
学校の目的:
- 職業観の育成: 働くことの意義を理解させる
- キャリア意識の醸成: 自分の適性や将来の方向性を考えさせる
- 社会性の向上: ビジネスマナーやコミュニケーション能力を身につけさせる
- 地域企業の理解: 地元企業の魅力や可能性を知らせる
企業のプログラムがこれらの目的に貢献することで、学校との連携が深まります。
ポイント1: 丁寧な報告とコミュニケーション
実施前の打ち合わせ
インターンシップ実施前に、学校の担当教員と必ず打ち合わせを行います。
打ち合わせ内容:
-
プログラム内容の説明
- 実施期間、時間、スケジュール
- 体験内容、作業内容
- 安全管理の方法
-
学校側の期待の確認
- 学校が高校生に学ばせたいこと
- 配慮してほしいこと
- 評価のポイント
-
緊急時の対応確認
- 連絡体制の構築
- 事故発生時の役割分担
- 保護者への連絡方法
打ち合わせを丁寧に行うことで、学校との認識のずれを防ぎます。
実施中の連絡
インターンシップ期間中も、学校との連絡を密に取ります。
連絡のタイミング:
- 初日の報告: インターンシップ開始後、問題なくスタートしたことを報告
- 中間報告: 期間が長い場合(5日以上)は、中間で進捗と様子を報告
- トラブル発生時: 怪我や体調不良などがあれば、即座に連絡
連絡内容の例:
件名: インターンシップ初日のご報告
〇〇高校 進路指導部
〇〇先生
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
本日、インターンシップ初日を無事に終えました。
参加生徒の皆さんは、元気に挨拶をし、積極的に作業に取り組んでいました。
【本日の様子】
- 全員、時間通りに到着し、オリエンテーションを実施
- 工場見学後、簡単な組み立て作業を体験
- 社員との昼食交流も好評でした
明日以降も、安全に配慮しながら実施してまいります。
何かご不明点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
このような報告を継続することで、学校は安心して高校生を預けられます。
実施後の報告書提出
インターンシップ終了後、必ず報告書を学校に提出します。
報告書に含める内容:
-
実施概要
- 期間、参加人数、プログラム内容
-
高校生の様子と評価
- 各生徒の取り組み姿勢、成長した点
- 印象に残ったエピソード
-
成果と反省
- プログラムの成果
- 改善点、次回への提案
-
感謝の言葉
- 学校への協力への感謝
- 今後の継続的な関係への期待
報告書を丁寧に作成することで、学校は「この企業は信頼できる」と感じます。
株式会社ゆめスタが運営するゆめアカでは、東海3県40校とのネットワークを活かし、学校との連絡調整や報告書作成のサポートも行っています。
ポイント2: 学校の教育目標との連携
学校の教育方針を理解する
学校ごとに、インターンシップで重視する教育目標が異なります。
学校の教育目標の例:
- 工業高校: 技術的なスキルの習得、ものづくりの楽しさを体験
- 商業高校: ビジネスマナー、接客スキル、事務作業の理解
- 普通科高校: 職業理解、働くことの意義、社会性の向上
学校の教育方針を事前に確認し、プログラムに反映させることが重要です。
プログラムを学校の目標に合わせる
学校の教育目標に沿ったプログラムを設計します。
工業高校向けの例:
- 製造工程の見学と体験
- 技術者との対話
- 品質管理の重要性を学ぶ
商業高校向けの例:
- 接客ロールプレイング
- 事務作業の体験
- ビジネスマナーの実践
普通科高校向けの例:
- 様々な職種の紹介
- 社員インタビュー
- 働くことの意義を考えるグループワーク
学校の教育目標とプログラムが一致することで、学校は「この企業は教育を理解している」と評価します。
学校への提案とフィードバック
インターンシップ後、学校に対して改善提案やフィードバックを行います。
提案の例:
- 「次回は〇〇の内容も追加したいと考えています」
- 「生徒の皆さんが〇〇に興味を持っていたので、その分野を深めてはどうでしょうか」
学校との対話を重ね、プログラムを進化させることで、学校との信頼関係が深まります。
ポイント3: 徹底した安全管理と配慮
安全管理の徹底
高校生の安全は、学校が最も重視することです。
安全管理のポイント:
-
初日の安全教育を必須とする
- 危険箇所の説明
- 安全装備の使い方
- 緊急時の対応方法
-
危険作業は避ける
- 重量物の取り扱い
- 有害物質を扱う作業
- 機械操作(フォークリフトなど)
-
常にメンターが見守る
- 高校生を一人にしない
- 定期的に巡回する
-
事故発生時の対応を準備
- 応急処置の用意
- 医療機関の連絡先を共有
- 学校・保護者への即座の連絡
安全管理を徹底することで、学校は「この企業なら安心して預けられる」と判断します。
高校生への配慮
高校生は未成年であり、社会経験がほとんどないため、以下の配慮が必要です。
配慮のポイント:
-
分かりやすい言葉で説明する
- 専門用語を避ける
- 具体例を交える
-
失敗を責めない
- 失敗を学びの機会とする
- 「次はこうしよう」と前向きに伝える
-
適度な休憩を確保する
- 疲れを見せたら休憩を促す
- 水分補給を促す
-
褒めることを忘れない
- 小さな成功でも褒める
- 成長を認める言葉をかける
高校生への配慮が行き届いていることで、学校は「この企業は高校生を大切にしている」と評価します。
保護者への配慮
高校生の保護者も、インターンシップに関心を持っています。
保護者への配慮:
-
事前説明会への参加
- 学校が保護者説明会を開催する場合、企業も参加して説明
-
安全管理の説明
- 保護者が安心できるよう、安全対策を丁寧に説明
-
トラブル時の迅速な連絡
- 怪我や体調不良があれば、学校を通じて保護者にも連絡
保護者が安心することで、学校も安心して企業に高校生を預けられます。
継続的な関係を築くために
年間を通じた交流
インターンシップ実施時以外も、学校との交流を継続します。
交流の例:
-
学校行事への参加
- 進路説明会、企業説明会に参加
- 学校の文化祭や体育祭に顔を出す
-
定期的な情報提供
- 自社の採用情報を学校に提供
- 業界の動向を共有
-
学校訪問
- 年に数回、学校を訪問して進路指導教員と情報交換
継続的な交流により、学校との関係が深まり、「あの企業にまたお願いしたい」と思ってもらえます。
複数年にわたる実施
インターンシップを単発で終わらせず、複数年にわたって実施します。
複数年実施のメリット:
- ノウハウが蓄積される: 毎年改善し、プログラムの質が向上する
- 学校との信頼が深まる: 継続的な関係が信頼につながる
- 採用候補者のパイプラインができる: 毎年、採用候補者と接点を持てる
学校側も、「この企業は毎年受け入れてくれる」と分かれば、優先的に推薦してくれます。
他校への展開
一つの学校との関係が良好になったら、他校にも展開します。
展開の方法:
- 学校からの紹介: 良好な関係の学校から、他校を紹介してもらう
- 教育委員会との連携: 地域の教育委員会に相談し、複数校との関係を構築
- 実績のアピール: これまでの実績を資料にまとめ、他校にアプローチ
複数校との関係を築くことで、採用の幅が広がります。東海3県40校とのネットワークを持つゆめアカでは、企業が複数校と関係を築くサポートも行っています。2025年度は3社で14名の採用実績があり、中には3年間ゼロだった企業が4名採用に成功した事例もあります。
よくある失敗パターンと対策
失敗パターン1: 報告を怠る
事例: インターンシップ後、学校への報告書を提出せず、次年度の依頼が来なかった。
対策: インターンシップ終了後、1週間以内に報告書を提出します。遅くとも2週間以内には必ず提出することが重要です。
失敗パターン2: 学校の教育目標を無視する
事例: 学校は「職業理解」を重視していたのに、企業は「作業体験」だけを提供し、学校が不満を持った。
対策: 事前に学校の教育目標を確認し、プログラムに反映させます。プログラム設計時に学校と相談することが重要です。
失敗パターン3: 安全管理が不十分
事例: 高校生が軽い怪我を負い、学校からの信頼を失った。
対策: 初日の安全教育を必須とし、危険作業は避けます。メンターが常に見守る体制を整えます。
失敗パターン4: 高校生への配慮が欠ける
事例: 社員が高校生に厳しく接し、高校生が「怖い」と感じて学校にクレームが入った。
対策: メンターに事前研修を実施し、高校生への接し方を学びます。「褒めて育てる」ことを徹底します。
失敗パターン5: 単発で終わる
事例: 1回だけインターンシップを実施し、その後学校との関係が途絶えた。
対策: インターンシップを継続的に実施し、年間を通じて学校と交流します。長期的な関係構築が重要です。
まとめ
重要ポイント
- 学校は安全・教育的意義・丁寧な報告を企業に求めている
- ポイント1: 丁寧な報告とコミュニケーション: 実施前・実施中・実施後の報告を徹底する
- ポイント2: 学校の教育目標との連携: 学校の教育方針を理解し、プログラムに反映させる
- ポイント3: 徹底した安全管理と配慮: 高校生の安全を最優先し、配慮を行き届かせる
- 継続的な関係を築く: 年間を通じた交流、複数年にわたる実施、他校への展開
- よくある失敗を避ける: 報告を怠らない、教育目標を無視しない、安全管理を徹底する
次にすべきこと
- 学校の担当教員と打ち合わせをする: プログラム内容と学校の期待をすり合わせる
- 報告書のフォーマットを準備する: 実施後すぐに報告できるよう準備
- 安全管理体制を整える: 初日の安全教育、緊急時の対応を明確化
- メンターに事前研修を実施する: 高校生への接し方、配慮のポイントを共有
- 継続的な関係構築を計画する: 年間スケジュールで学校との交流機会を設ける
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