インターンシップ導入・運営

高校生インターンシップの受け入れ準備|必要な手続きと体制づくり

著者: 株式会社ゆめスタ
高校生インターンシップの受け入れ準備|必要な手続きと体制づくり

「高校生インターンシップを受け入れたいけど、何から始めればいいか分からない」「手続きや準備が複雑そうで不安」そんな悩みを抱えていませんか?

実際に、インターンシップ受け入れ経験のない企業の多くが、準備不足により学校からの信頼を失ったり、受け入れ後にトラブルを経験したりしています。高校生は未成年であるため、大学生のインターンシップとは異なる配慮が必要です。

しかし、事前に必要な手続きと体制を整えることで、スムーズかつ安全にインターンシップを実施できます。適切な準備は、学校との信頼関係構築にもつながり、継続的な採用成功への第一歩となります。

この記事では、高校生インターンシップの受け入れ準備について、法的手続きから社内体制づくりまで、実践的に解説します。

この記事で分かること

  • 高校生インターンシップ受け入れに必要な法的手続き
  • 社内体制づくりの具体的な方法
  • 安全管理と保険の準備
  • 学校との連携のポイント
  • よくある失敗パターンと対策

読了時間: 約6分


目次

  1. 高校生インターンシップ受け入れ前の心構え
  2. 必要な法的手続きと書類
  3. 社内体制づくりの5つのステップ
  4. 安全管理と保険の準備
  5. 学校との連携体制の構築
  6. よくある失敗パターンと対策
  7. まとめ

高校生インターンシップ受け入れ前の心構え

高校生と大学生の違いを理解する

高校生インターンシップは、大学生のインターンシップとは根本的に異なります。

主な違い:

  • 教育活動としての位置づけ: 高校生のインターンシップは、学校教育の一環として実施されます
  • 未成年である: 保護者の同意や安全管理がより厳格に求められます
  • 労働法規の制約: 労働時間や作業内容に制限があります
  • 学校との密接な連携: 学校側の担当教員との調整が必須です

受け入れの目的を明確にする

インターンシップ受け入れの目的を明確にすることが、準備の第一歩です。

目的の例:

  1. 採用候補者の確保: 将来的な採用につなげる
  2. 企業PR: 高校生や学校に自社を知ってもらう
  3. 社会貢献: 地域の人材育成に貢献する
  4. 社員の成長: 指導を通じて既存社員の教育スキルを向上させる

厚生労働省の調査によると、インターンシップ経由で採用した若手社員の3年離職率は16.5%と、一般的な40.8%と比べて大幅に低いことが分かっています。

出典: 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」(2023年)


必要な法的手続きと書類

基本的な準備書類

高校生インターンシップの受け入れには、以下の書類が必要です。

必須書類:

  1. インターンシップ実施計画書

    • 実施期間、時間、内容を記載
    • 学校へ提出し、承認を得る
  2. 誓約書・同意書

    • 保護者の署名・捺印が必要
    • 個人情報の取り扱いに関する同意も含める
  3. インターンシップ受入確認書

    • 学校と企業の間で取り交わす
    • 双方の責任範囲を明記
  4. 安全管理計画書

    • 事故発生時の対応手順
    • 緊急連絡先の共有
  5. 秘密保持に関する誓約書

    • 企業情報の取り扱いについて
    • 高校生本人と保護者の署名が必要

労働法規の確認

高校生は労働基準法上の「年少者」に該当するため、以下の制約があります。

労働時間の制限:

  • 1日8時間、週40時間を超えてはならない
  • 午後10時から午前5時までの深夜労働は禁止
  • 休憩時間は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上

禁止業務:

  • 危険有害業務(重量物の取り扱い、有害物質を扱う作業など)
  • 安全装置を取り外す作業
  • 運転業務(フォークリフトなど)

学校との事前協議で、実施内容が法規制に抵触しないか確認することが重要です。


社内体制づくりの5つのステップ

ステップ1: 受入責任者の決定

インターンシップ全体を統括する受入責任者を決めます。

受入責任者の役割:

  • 学校との窓口対応
  • プログラム全体の進行管理
  • トラブル発生時の対応
  • 事後報告書の作成

経営層または人事担当者が担当するのが一般的です。

ステップ2: 現場指導担当者(メンター)の選定

日々の指導を行う現場担当者を選定します。

メンターの条件:

  1. コミュニケーション能力が高い: 高校生にわかりやすく説明できる
  2. 教育熱心である: 若手育成に前向き
  3. 業務知識が豊富: 自社の仕事を体系的に教えられる
  4. 時間的余裕がある: インターンシップ期間中、指導に時間を割ける

株式会社ゆめスタが運営するゆめアカでは、メンター向けの事前研修も提供しており、受け入れ企業の負担を軽減しています。

ステップ3: 受入事務局の設置

複数名のインターンシップ受け入れや、継続的な実施を予定している場合は、受入事務局を設置します。

事務局の役割:

  • 学校との調整(日程、人数、内容)
  • 書類管理(計画書、同意書、報告書など)
  • 社内調整(部署間の連携、スケジュール調整)
  • 備品・資料の準備

ステップ4: 事前研修の実施

受入責任者とメンターを対象に、事前研修を実施します。

研修内容:

  1. 高校生インターンシップの目的と意義
  2. 法的規制と注意事項
  3. 安全管理と緊急時対応
  4. コミュニケーションの取り方
  5. プログラム内容の確認

事前研修を実施することで、受け入れ側の意識統一と準備の質が向上します。

ステップ5: 社内周知

インターンシップ実施について、全社員に周知します。

周知内容:

  • 実施期間と受入人数
  • インターンシップの目的
  • 社員への協力依頼(挨拶、質問への対応など)
  • 機密情報の取り扱い注意

社員全体の理解と協力があることで、高校生が安心して学べる環境が整います。


安全管理と保険の準備

安全管理体制の構築

高校生の安全を守ることは、受け入れ企業の最優先事項です。

安全管理のポイント:

  1. 作業環境の事前点検

    • 危険箇所の確認と対策
    • 安全装備の準備(ヘルメット、安全靴など)
  2. 安全教育の実施

    • 初日に必ず安全教育を実施
    • 機械操作や危険物の取り扱いは原則禁止
  3. 巡回・見守り体制

    • メンターによる定期的な巡回
    • 高校生が一人にならないよう配慮
  4. 緊急連絡体制の整備

    • 学校、保護者、医療機関の連絡先を共有
    • 緊急時のフローを明確化

保険の加入

万が一の事故に備え、保険加入を検討します。

推奨される保険:

  1. 傷害保険

    • インターンシップ中の怪我に対応
    • 学校が加入している場合もあるため、事前確認が必要
  2. 賠償責任保険

    • 高校生が企業の設備を破損した場合などに対応
  3. 労働災害保険(労災)

    • 報酬を支払う場合は労災保険の対象となる可能性あり

学校との協議で、保険の加入状況と責任範囲を明確にすることが重要です。


学校との連携体制の構築

事前打ち合わせの実施

学校とのすり合わせは、インターンシップ成功の鍵です。

打ち合わせ内容:

  1. 実施目的の共有

    • 学校側の教育目標を理解
    • 企業側の期待を伝える
  2. プログラム内容の調整

    • 学校が求める学習内容の確認
    • 企業が提供できる内容の提案
  3. スケジュールの確定

    • 実施期間、日数、時間
    • 受入人数
  4. 緊急時対応の確認

    • 連絡体制の構築
    • 事故発生時の役割分担

担当教員との連携

学校側の担当教員とは、密に連携を取ります。

連携のポイント:

  • 実施前に必ず顔合わせの機会を設ける
  • 実施中も定期的に報告・相談
  • 実施後のフィードバックを共有

学校との信頼関係は、継続的なインターンシップ受け入れや採用成功の基盤となります。実際に、東海3県40校とのネットワークを持つゆめアカでは、この学校連携のノウハウを活かし、企業の受け入れをサポートしています。


よくある失敗パターンと対策

失敗パターン1: プログラム内容が曖昧

事例: 「とりあえず受け入れて、現場で考えよう」と準備不足で開始し、高校生が何をすればいいか分からず、学びのない時間になってしまった。

対策: 事前にプログラム内容を詳細に設計し、タイムスケジュールを作成します。

失敗パターン2: メンターが多忙で放置

事例: メンターが通常業務に追われ、高校生への指導が疎かになり、孤立感を与えてしまった。

対策: インターンシップ期間中は、メンターの業務負担を調整し、指導時間を確保します。

失敗パターン3: 安全管理の不備

事例: 安全教育を省略し、高校生が軽い怪我を負い、学校からの信頼を失った。

対策: 初日の安全教育を必須とし、危険箇所への立ち入りを制限します。

失敗パターン4: 学校との連携不足

事例: 実施後の報告を怠り、学校側が次年度の受け入れを見送った。

対策: 実施後、必ず報告書を提出し、改善点を共有します。継続的な関係構築が重要です。

失敗パターン5: 社内周知の欠如

事例: 社員がインターンシップを知らず、高校生への対応が冷たく、企業イメージが悪化した。

対策: 全社員に事前周知し、協力を呼びかけます。


まとめ

重要ポイント

  • 高校生インターンシップは教育活動であり、大学生とは異なる配慮が必要
  • 法的手続きと書類準備を確実に行い、リスクを回避する
  • 社内体制づくりは、受入責任者、メンター、事務局の役割を明確にすることから始める
  • 安全管理と保険は最優先事項。事故を未然に防ぐ体制を構築する
  • 学校との連携を密にし、信頼関係を構築することが継続的な受け入れにつながる
  • よくある失敗を事前に把握し、対策を講じることで、成功率が高まる

次にすべきこと

  1. 社内で受入体制を検討する: 受入責任者、メンター候補を選定
  2. 学校に相談する: 地域の高校に連絡を取り、インターンシップの可能性を探る
  3. プログラム内容を設計する: 高校生が学べる内容を具体的に考える
  4. 必要書類を準備する: 実施計画書、同意書などのフォーマットを整える
  5. 専門家に相談する: 不安がある場合は、インターンシップ支援の専門機関を活用する

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この記事は、株式会社ゆめスタが運営するゆめスタアカデミー(ゆめアカ)が提供しています。 高卒採用・インターンシップ支援の実績とノウハウをもとに、 中小企業の採用成功をサポートしています。

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