「インターンシップを実施したいが、コストが心配」「地元の支援制度があるなら活用したい」そんな悩みを抱えていませんか?
実際に、国の補助金だけでなく、都道府県や市区町村が独自にインターンシップ支援制度を設けているケースが増えています。しかし、これらの制度は情報が分散しており、どの自治体にどんな支援があるのか把握しづらいのが現状です。
この記事では、全国の主要自治体が提供するインターンシップ支援制度を地域別に解説します。特に東海3県(愛知・岐阜・三重)の企業様に役立つ情報を中心にお届けします。
この記事で分かること
- 全国主要自治体のインターンシップ支援制度
- 東海3県(愛知・岐阜・三重)の補助金情報
- 自治体補助金の申請方法と注意点
- 国の補助金との併用方法
読了時間: 約8分
目次
自治体のインターンシップ支援制度とは
自治体独自の補助金制度
都道府県や市区町村は、地域の人材確保や若者の定住促進を目的として、独自のインターンシップ支援制度を設けています。
主な支援内容:
- 受け入れ企業への補助金: 日額数千円の受け入れ補助
- 交通費・宿泊費補助: 学生の移動・滞在費用を支援
- プログラム開発支援: インターンシップ設計のコンサルティング
- マッチング支援: 学校と企業をつなぐ仲介サービス
国の補助金との違い
| 項目 | 国の補助金 | 自治体の補助金 |
|---|---|---|
| 対象範囲 | 全国一律 | 地域限定(県内・市内企業) |
| 申請難易度 | やや高い | 比較的低い |
| 補助額 | 大きい | 小〜中規模 |
| 手続き | 複雑 | シンプル |
| 審査期間 | 長い(1-3ヶ月) | 短い(2週間〜1ヶ月) |
自治体の補助金は、国の制度よりも申請ハードルが低く、地域密着型の企業にとって利用しやすい特徴があります。
補助金の対象となる企業
一般的な要件:
- 都道府県内または市区町村内に事業所がある
- 中小企業基本法に定める中小企業である
- 税金の滞納がない
- 労働関係法令を遵守している
- 高校生または大学生を受け入れる意思がある
自治体によって要件は異なりますが、基本的には地域に根ざした中小企業が対象となります。
全国主要自治体の支援制度一覧
東京都|インターンシップ受入支援
東京都中小企業振興公社が製造業を営む中小企業を対象に支援を実施しています。
制度概要:
- 対象: 工業高校・高等専門学校の生徒を受け入れる製造業
- 補助額: 1日あたり8,000円
- 上限: 1人あたり最大20日間
- 補助上限額: 160,000円/人
特徴: 高校生を対象としている点が特徴で、技術系企業にとって若手人材の早期確保につながります。
問い合わせ: 東京都中小企業振興公社(https://www.tokyo-kosha.or.jp/)
長野県|シューカツNAGANO応援助成金
UIJターン促進を目的とした県外学生向けの支援制度です。
制度概要:
- 対象: 県外在住の学生が長野県内企業でインターンシップ参加時
- 補助内容: 交通費・宿泊費の一部補助
- 申請期間: 2025年6月2日〜2026年3月10日
特徴: 県外からの学生を呼び込みたい企業にとって有効で、学生側の負担軽減により参加率が向上します。
宮崎県|UIJターン就活支援助成金
制度概要:
- 対象: 県外在住の学生(30歳未満)
- 補助額: 最大50,000円/回(年2回まで)
- 補助率: 30歳未満は2/3、30歳以上は1/2
特徴: 交通費・宿泊費の負担が大きい遠方学生に対して手厚い支援があります。
宮城県|インターンシップ交通費・宿泊費補助
制度概要:
- 補助率: 50%
- 上限額: 40,000円
県外学生の呼び込みに力を入れている自治体です。
北海道・東北地方の主要自治体
| 自治体 | 制度名 | 補助内容 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 北上市 | インターンシップ支援 | タクシー券提供 | 交通手段がない学生向け |
| 秋田県 | 就活応援事業 | 交通費補助 | UIJターン促進 |
| 青森県 | 県内就職促進助成金 | 交通費・宿泊費 | 県内定着支援 |
九州・四国地方の主要自治体
| 自治体 | 制度名 | 補助内容 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 福岡県 | 県内就職支援 | 交通費補助 | 大学生・高校生対象 |
| 熊本県 | UIJターン促進事業 | 交通費・宿泊費 | 移住促進と連動 |
| 愛媛県 | インターンシップ支援 | 受け入れ補助 | 中小企業支援 |
全国各地で同様の支援制度が展開されており、学生の移動コストを軽減する仕組みが整いつつあります。
東海3県(愛知・岐阜・三重)の支援制度
愛知県の支援制度
愛知県では、県レベルの統一した補助金制度は現時点では限定的ですが、各市町村が独自の支援を展開しています。
主な取り組み:
- 名古屋市: 市内中小企業向けに人材確保支援事業を実施
- 豊田市: ものづくり企業向けインターンシップ支援
- 岡崎市: 地元高校生インターンシップ推進事業
愛知県は製造業が盛んなため、工業高校との連携支援に力を入れている市町村が多い傾向にあります。
確認方法: 各市町村の商工労働課または企業支援課に問い合わせることをおすすめします。
岐阜県の支援制度
岐阜県インターンシップ推進協議会が中心となり、県内のインターンシップを促進しています。
協議会の活動内容:
- 学校と企業のマッチング支援
- インターンシッププログラムの設計サポート
- 受け入れ企業向けセミナー開催
補助金制度: 一部の市町村で独自の補助金制度があり、特に関市・各務原市などの製造業集積地では充実した支援があります。
問い合わせ: 岐阜県インターンシップ推進協議会(https://gifuken-internship.org/)
三重県の支援制度
三重県では、県内就職促進の一環としてインターンシップ支援を実施しています。
主な取り組み:
- 県内企業インターンシップ促進事業: 受け入れ企業への支援
- 高校生県内就職促進事業: 工業高校との連携強化
- UIJターン促進補助金: 県外学生の交通費補助
三重県は県外への若者流出が課題となっており、地元定着を促進する制度が充実しています。
東海3県で活用できる国の補助金
自治体の補助金に加えて、以下の国の制度も併用可能です:
- 人材開発支援助成金: OJTや研修に対する助成
- トライアル雇用助成金: 試用期間中の賃金補助
- キャリア形成促進助成金: インターンシップ受け入れ支援
これらの国の制度と自治体の補助金を組み合わせることで、企業の実質負担をさらに軽減できます。
実際に、株式会社ゆめスタが運営するゆめアカでは、東海3県40校とのネットワークを活かし、各自治体の最新補助金情報を企業様に提供しながらインターンシップの導入支援を行っています。
自治体補助金の申請方法
申請の基本的な流れ
ステップ1: 情報収集
まずは自社が所在する都道府県・市区町村のウェブサイトで補助金情報を確認します。
確認先:
- 都道府県の商工労働部
- 市区町村の企業支援課
- 地域の商工会議所
ステップ2: 要件確認
自社が補助金の対象となるか、以下の点を確認します:
- 企業の所在地(県内・市内)
- 企業規模(中小企業かどうか)
- 税金の納付状況
- 労働関係法令の遵守状況
ステップ3: 申請書類の準備
一般的に必要な書類:
- 申請書(自治体指定の様式)
- 会社概要・登記簿謄本
- 納税証明書
- インターンシッププログラム計画書
- 受け入れ予定人数・期間の資料
ステップ4: 申請
窓口またはオンラインで申請します。自治体によっては事前相談が必須の場合もあります。
ステップ5: 審査・決定
審査期間は2週間〜1ヶ月程度。採択されれば補助金交付決定通知が届きます。
ステップ6: インターンシップ実施
計画に沿ってインターンシップを実施し、実施報告書を提出します。
ステップ7: 補助金受領
報告書の確認後、指定口座に補助金が振り込まれます。
申請時の注意点
1. 申請期限を厳守
自治体の補助金は年度単位で予算が組まれており、申請期限が厳格です。早めの準備が重要です。
2. 計画書は具体的に
インターンシッププログラムの内容を具体的に記載しましょう:
- 実施期間と日数
- 受け入れ部署と指導体制
- 教育内容とスケジュール
- 目標と評価方法
3. 実績報告を忘れずに
補助金は「後払い」が基本です。実施後の報告書提出を忘れると補助金が受け取れません。
4. 複数の補助金の併用可否を確認
国の補助金と自治体の補助金を併用できるケースもありますが、事前に確認が必要です。
よくある失敗パターン
失敗例1: 申請期限に間に合わなかった
多くの自治体は年度初め(4-5月)に募集開始し、予算がなくなり次第終了します。早めの情報収集が重要です。
失敗例2: 要件を満たしていなかった
「県内企業限定」なのに本社が県外だった、「中小企業限定」なのに資本金が基準を超えていた、などの確認ミスがあります。
失敗例3: 実績報告書を提出し忘れた
インターンシップ実施後の報告書提出を忘れ、補助金が受け取れなかったケースがあります。
失敗例4: 計画と実績が大きく異なった
当初の計画から大幅に変更があった場合、補助金が減額または不支給になる可能性があります。
国の補助金との併用で効果を最大化
併用可能な補助金の組み合わせ
自治体の補助金と国の補助金を組み合わせることで、企業の実質負担をゼロに近づけることも可能です。
おすすめの組み合わせ:
パターン1: 自治体補助 + 人材開発支援助成金
- 自治体: インターンシップ受け入れの日額補助(例: 8,000円/日)
- 国: OJT実施に対する助成(1人あたり数万円)
パターン2: 交通費補助 + キャリア形成促進助成金
- 自治体: 学生の交通費・宿泊費補助(上限4万円)
- 国: インターンシップ受け入れ経費の助成
パターン3: 地域補助 + トライアル雇用助成金
- 自治体: インターンシップ受け入れ補助
- 国: 試用期間中の賃金補助(最大4万円/月)
併用時の注意点
1. 二重申請の禁止
同一経費に対して複数の補助金を申請することは原則禁止されています。
OK例:
- 自治体: インターンシップ期間中の指導費用
- 国: インターンシップ後の正規雇用時の研修費用
NG例:
- 自治体: インターンシップ期間中の賃金
- 国: 同じ期間の賃金に対する助成
2. 申請タイミングの調整
自治体と国で申請時期が異なる場合があります。スケジュールを事前に確認しましょう。
3. 報告書の分離
それぞれの補助金で報告書が必要です。混同しないよう管理が重要です。
併用成功事例
事例: 愛知県の製造業A社(従業員50名)
実施内容:
- 地元工業高校から5日間のインターンシップ受け入れ
- 生徒3名を受け入れ
活用した補助金:
- 市の中小企業人材確保支援補助金: 5,000円/日×5日×3名 = 75,000円
- 人材開発支援助成金: OJT実施費用として45,000円
合計補助額: 120,000円
実質負担:
- 総コスト: 約200,000円
- 補助金: 120,000円
- 実質負担: 80,000円(60%削減)
このように、複数の補助金を組み合わせることで、インターンシップの導入ハードルを大幅に下げることができます。
まとめ
重要ポイント
自治体のインターンシップ支援制度について、以下のポイントを押さえておきましょう:
- 全国の自治体が独自の支援制度を提供している
- 東京都は工業高校生向けに日額8,000円の補助を実施
- 東海3県でも市町村ごとに独自支援がある
- 国の補助金との併用で実質負担を大幅削減できる
- 申請は早めの準備が成功の鍵
次にすべきこと
- 自社所在地の自治体ウェブサイトを確認する
- 商工労働課または企業支援課に問い合わせする
- 国の補助金との併用可能性を確認する
- 申請書類の準備を開始する
- インターンシッププログラムを設計する
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