離職率削減・定着支援

離職防止のための面談術|若手社員の本音を引き出す5つの質問

著者: 株式会社ゆめスタ
離職防止のための面談術|若手社員の本音を引き出す5つの質問

「退職理由を聞いても、『他にやりたいことが見つかりました』としか言わない」「本当の理由が分からないまま辞めていく」そんな経験はありませんか?

実際に、若手社員が退職面談で語る「建前の理由」と、辞める「本当の理由」は異なることが多いです。本音を聞き出せなければ、離職防止策も効果を発揮しません。

しかし、定期的な1on1面談で適切な質問をすることで、若手社員の本音を引き出し、離職の兆候を早期に発見できます。

この記事では、若手社員の本音を引き出し、離職を防止するための面談術を具体的に解説します。

この記事で分かること

  • 若手社員が「建前」と「本音」を使い分ける理由
  • 本音を話せない3つの心理的障壁
  • 本音を引き出す5つの効果的な質問
  • 面談で避けるべき3つのNG行動
  • 離職防止に成功した企業の面談事例

読了時間: 約8分


目次

  1. 離職理由の「建前」と「本音」
  2. 若手社員が本音を話せない3つの理由
  3. 本音を引き出す5つの質問
  4. 面談で避けるべき3つのNG行動
  5. 離職防止に成功した企業の面談事例
  6. まとめ

離職理由の「建前」と「本音」

退職面談で語られる「建前の理由」

若手社員が退職時に語る理由の多くは、建前です。

よくある建前の退職理由:

  • 「他にやりたいことが見つかりました」
  • 「キャリアチェンジしたいです」
  • 「家庭の事情で…」
  • 「一身上の都合です」

これらは、本当の理由を隠すための表向きの説明に過ぎません。

隠された「本音の理由」

一方、本音の退職理由は、会社の改善点に直結します。

本音の退職理由トップ5:

  1. 上司との人間関係
  2. 成長実感の欠如
  3. 評価制度への不満
  4. 過重労働・長時間労働
  5. 給与水準への不満

株式会社ゆめスタが支援する企業でも、インターンシップを通じて入社前から企業との信頼関係を築くことで、入社後も本音で話せる関係性を維持し、3年離職率16.5%という実績を達成しています。

なぜ建前と本音が異なるのか

若手社員が本音を隠す理由は、「円満退社したい」という気持ちです。

本音を言わない心理:

  • 最後まで良い関係を保ちたい
  • 批判したと思われたくない
  • 引き止められるのが面倒
  • 業界が狭く、将来の評判が気になる

退職を決めた後では、すでに手遅れです。離職防止には、退職の兆候が出る前に本音を聞き出すことが重要です。


若手社員が本音を話せない3つの理由

理由1: 「話しても変わらない」という諦め

過去に相談したが何も変わらなかった経験があると、本音を話す意欲が失われます。

諦めのサイン:

  • 面談で「特に問題ありません」としか言わない
  • 上司との会話が表面的
  • 職場の改善提案をしなくなる

理由2: 「話したら評価が下がる」という不安

本音を話すことで、評価に悪影響があるのではないかと恐れます。

不安の具体例:

  • 「仕事がきつい」と言ったら、評価が下がるのでは?
  • 「人間関係に悩んでいる」と言ったら、協調性がないと思われるのでは?
  • 「給与に不満がある」と言ったら、我慢が足りないと思われるのでは?

理由3: 「上司に気を遣わせたくない」という配慮

若手社員は、上司に迷惑をかけたくないと考えます。

気遣いの心理:

  • 忙しそうな上司に相談しづらい
  • 自分の悩みは小さなことだと思ってしまう
  • 「こんなことで悩むなんて…」と自己否定してしまう

本音を引き出す5つの質問

本音を引き出すには、質問の仕方が重要です。

質問1: 「最近、仕事でどんなことを感じていますか?」

ポイント:

  • Yes/Noで答えられない「オープンクエスチョン」
  • 「問題はない?」ではなく、感情を聞く
  • 否定的な感情も肯定的な感情も話しやすい

NGな聞き方:

  • 「問題はありませんか?」(Yes/Noで終わる)
  • 「不満はありますか?」(ネガティブ限定)

質問2: 「この3ヶ月で、成長を実感できた瞬間はありましたか?」

ポイント:

  • 具体的な期間を設定(3ヶ月、半年など)
  • 成長実感の有無を確認できる
  • 「ない」と答えた場合、離職の兆候を早期発見

深掘り質問:

  • 「どんなスキルが身についたと思いますか?」
  • 「逆に、もっと成長したい分野はありますか?」

質問3: 「もし、会社を良くできるとしたら、何を変えたいですか?」

ポイント:

  • 仮定形で質問することで、批判のハードルを下げる
  • 会社への不満を建設的な意見として聞き出せる
  • 改善のヒントを得られる

受け止め方:

  • 否定せず、まず「教えてくれてありがとう」と伝える
  • すぐに改善できなくても、「検討します」と真摯に受け止める

質問4: 「3年後、5年後、どんな自分になっていたいですか?」

ポイント:

  • キャリアビジョンを確認できる
  • 会社で実現可能かどうかを一緒に考えられる
  • ミスマッチの早期発見につながる

フォローアップ:

  • 「その目標を実現するために、会社としてできることは?」
  • 「今の業務で、その目標につながることはありますか?」

質問5: 「私(上司)にもっとこうしてほしい、ということはありますか?」

ポイント:

  • 上司自身がフィードバックを求める姿勢を示す
  • 心理的安全性を高める
  • 上司への不満を建設的に聞き出せる

重要な心構え:

  • 言われたことを否定しない
  • 感謝の言葉を伝える
  • 具体的な改善アクションを示す

面談で避けるべき3つのNG行動

NG行動1: 一方的にアドバイスする

若手社員の話を聞く前に、アドバイスをしてしまうのはNGです。

NGな例:

  • 社員「最近、業務量が多くて…」
  • 上司「みんな忙しいんだから、頑張らないと」
  • 社員「……(本音を話すのをやめる)」

OKな例:

  • 社員「最近、業務量が多くて…」
  • 上司「そうなんだ。具体的にどんな業務が負担になってる?」
  • 社員「実は、〇〇の業務が…」

NG行動2: 否定・説得しようとする

若手社員の意見を否定すると、二度と本音を話してくれなくなります。

NGな例:

  • 社員「評価制度が不透明だと思います」
  • 上司「そんなことない。ちゃんと評価しているよ」
  • 社員「……(もう話さない)」

OKな例:

  • 社員「評価制度が不透明だと思います」
  • 上司「そう感じているんだね。どの部分が分かりにくかった?」
  • 社員「実は、〇〇の評価基準が…」

NG行動3: メモを取らない・行動しない

せっかく本音を話してくれても、何も変わらなければ、信頼を失います。

NGな行動:

  • 話を聞くだけで、何もメモしない
  • 「検討します」と言って、何もしない
  • 次の面談で前回の話題に触れない

OKな行動:

  • メモを取りながら真剣に聞く
  • 「次回の面談までに〇〇を改善します」と約束
  • 実際に改善し、次の面談で報告する

離職防止に成功した企業の面談事例

事例1: 製造業A社(従業員60名)

課題: 若手社員の早期離職が続く

施策:

  • 月1回の1on1面談を導入
  • 上司向けに「傾聴スキル研修」を実施
  • 面談で出た改善要望を経営陣に報告

結果:

  • 若手社員の離職率が40%減少
  • 「上司に相談しやすくなった」という声が増加
  • 改善要望の8割を実現

事例2: 物流業B社(従業員80名)

課題: 退職理由が「建前」ばかりで改善点が分からない

施策:

  • 3ヶ月ごとの定期面談
  • 5つの質問を標準化
  • 面談後、必ず1つは改善アクションを実行

結果:

  • 本音を話してくれる社員が増加
  • 離職の兆候を早期発見できるようになった
  • 定着率が35%向上

事例3: 建設業C社(従業員40名)

課題: 高卒新入社員が孤立し、早期離職

施策:

  • ゆめアカのインターンシップで入社前から関係構築
  • 入社後は週1回のメンターとの面談
  • 本音を話しやすい雰囲気づくり

結果:

  • 高卒新入社員の定着率が90%に向上
  • 「何でも相談できる環境」という評価を獲得
  • 2年間で12名の高卒採用に成功

東海3県40校とのネットワークを持つゆめアカでは、インターンシップを通じて入社前から企業と学生の信頼関係を築くことで、入社後も本音で話せる関係性を維持し、離職率を大幅に下げています。


まとめ

重要ポイント

  • 若手社員は「建前」と「本音」を使い分ける
  • 退職を決めてからでは遅い。定期的な面談で本音を聞き出す
  • 本音を引き出す5つの質問を活用する
  • 一方的なアドバイス、否定、行動しないことは厳禁
  • インターンシップで入社前から信頼関係を築くことが効果的

次にすべきこと

  1. 月1回の1on1面談を制度化する
  2. 本音を引き出す5つの質問を実践する
  3. 面談で聞いた改善要望を必ず1つは実行する
  4. 上司向けに傾聴スキル研修を実施する
  5. インターンシップで入社前から信頼関係を構築する

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この記事は、株式会社ゆめスタが運営するゆめスタアカデミー(ゆめアカ)が提供しています。 高卒採用・インターンシップ支援の実績とノウハウをもとに、 中小企業の採用成功をサポートしています。

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