「退職理由を聞いても、『他にやりたいことが見つかりました』としか言わない」「本当の理由が分からないまま辞めていく」そんな経験はありませんか?
実際に、若手社員が退職面談で語る「建前の理由」と、辞める「本当の理由」は異なることが多いです。本音を聞き出せなければ、離職防止策も効果を発揮しません。
しかし、定期的な1on1面談で適切な質問をすることで、若手社員の本音を引き出し、離職の兆候を早期に発見できます。
この記事では、若手社員の本音を引き出し、離職を防止するための面談術を具体的に解説します。
この記事で分かること
- 若手社員が「建前」と「本音」を使い分ける理由
- 本音を話せない3つの心理的障壁
- 本音を引き出す5つの効果的な質問
- 面談で避けるべき3つのNG行動
- 離職防止に成功した企業の面談事例
読了時間: 約8分
目次
離職理由の「建前」と「本音」
退職面談で語られる「建前の理由」
若手社員が退職時に語る理由の多くは、建前です。
よくある建前の退職理由:
- 「他にやりたいことが見つかりました」
- 「キャリアチェンジしたいです」
- 「家庭の事情で…」
- 「一身上の都合です」
これらは、本当の理由を隠すための表向きの説明に過ぎません。
隠された「本音の理由」
一方、本音の退職理由は、会社の改善点に直結します。
本音の退職理由トップ5:
- 上司との人間関係
- 成長実感の欠如
- 評価制度への不満
- 過重労働・長時間労働
- 給与水準への不満
株式会社ゆめスタが支援する企業でも、インターンシップを通じて入社前から企業との信頼関係を築くことで、入社後も本音で話せる関係性を維持し、3年離職率16.5%という実績を達成しています。
なぜ建前と本音が異なるのか
若手社員が本音を隠す理由は、「円満退社したい」という気持ちです。
本音を言わない心理:
- 最後まで良い関係を保ちたい
- 批判したと思われたくない
- 引き止められるのが面倒
- 業界が狭く、将来の評判が気になる
退職を決めた後では、すでに手遅れです。離職防止には、退職の兆候が出る前に本音を聞き出すことが重要です。
若手社員が本音を話せない3つの理由
理由1: 「話しても変わらない」という諦め
過去に相談したが何も変わらなかった経験があると、本音を話す意欲が失われます。
諦めのサイン:
- 面談で「特に問題ありません」としか言わない
- 上司との会話が表面的
- 職場の改善提案をしなくなる
理由2: 「話したら評価が下がる」という不安
本音を話すことで、評価に悪影響があるのではないかと恐れます。
不安の具体例:
- 「仕事がきつい」と言ったら、評価が下がるのでは?
- 「人間関係に悩んでいる」と言ったら、協調性がないと思われるのでは?
- 「給与に不満がある」と言ったら、我慢が足りないと思われるのでは?
理由3: 「上司に気を遣わせたくない」という配慮
若手社員は、上司に迷惑をかけたくないと考えます。
気遣いの心理:
- 忙しそうな上司に相談しづらい
- 自分の悩みは小さなことだと思ってしまう
- 「こんなことで悩むなんて…」と自己否定してしまう
本音を引き出す5つの質問
本音を引き出すには、質問の仕方が重要です。
質問1: 「最近、仕事でどんなことを感じていますか?」
ポイント:
- Yes/Noで答えられない「オープンクエスチョン」
- 「問題はない?」ではなく、感情を聞く
- 否定的な感情も肯定的な感情も話しやすい
NGな聞き方:
- 「問題はありませんか?」(Yes/Noで終わる)
- 「不満はありますか?」(ネガティブ限定)
質問2: 「この3ヶ月で、成長を実感できた瞬間はありましたか?」
ポイント:
- 具体的な期間を設定(3ヶ月、半年など)
- 成長実感の有無を確認できる
- 「ない」と答えた場合、離職の兆候を早期発見
深掘り質問:
- 「どんなスキルが身についたと思いますか?」
- 「逆に、もっと成長したい分野はありますか?」
質問3: 「もし、会社を良くできるとしたら、何を変えたいですか?」
ポイント:
- 仮定形で質問することで、批判のハードルを下げる
- 会社への不満を建設的な意見として聞き出せる
- 改善のヒントを得られる
受け止め方:
- 否定せず、まず「教えてくれてありがとう」と伝える
- すぐに改善できなくても、「検討します」と真摯に受け止める
質問4: 「3年後、5年後、どんな自分になっていたいですか?」
ポイント:
- キャリアビジョンを確認できる
- 会社で実現可能かどうかを一緒に考えられる
- ミスマッチの早期発見につながる
フォローアップ:
- 「その目標を実現するために、会社としてできることは?」
- 「今の業務で、その目標につながることはありますか?」
質問5: 「私(上司)にもっとこうしてほしい、ということはありますか?」
ポイント:
- 上司自身がフィードバックを求める姿勢を示す
- 心理的安全性を高める
- 上司への不満を建設的に聞き出せる
重要な心構え:
- 言われたことを否定しない
- 感謝の言葉を伝える
- 具体的な改善アクションを示す
面談で避けるべき3つのNG行動
NG行動1: 一方的にアドバイスする
若手社員の話を聞く前に、アドバイスをしてしまうのはNGです。
NGな例:
- 社員「最近、業務量が多くて…」
- 上司「みんな忙しいんだから、頑張らないと」
- 社員「……(本音を話すのをやめる)」
OKな例:
- 社員「最近、業務量が多くて…」
- 上司「そうなんだ。具体的にどんな業務が負担になってる?」
- 社員「実は、〇〇の業務が…」
NG行動2: 否定・説得しようとする
若手社員の意見を否定すると、二度と本音を話してくれなくなります。
NGな例:
- 社員「評価制度が不透明だと思います」
- 上司「そんなことない。ちゃんと評価しているよ」
- 社員「……(もう話さない)」
OKな例:
- 社員「評価制度が不透明だと思います」
- 上司「そう感じているんだね。どの部分が分かりにくかった?」
- 社員「実は、〇〇の評価基準が…」
NG行動3: メモを取らない・行動しない
せっかく本音を話してくれても、何も変わらなければ、信頼を失います。
NGな行動:
- 話を聞くだけで、何もメモしない
- 「検討します」と言って、何もしない
- 次の面談で前回の話題に触れない
OKな行動:
- メモを取りながら真剣に聞く
- 「次回の面談までに〇〇を改善します」と約束
- 実際に改善し、次の面談で報告する
離職防止に成功した企業の面談事例
事例1: 製造業A社(従業員60名)
課題: 若手社員の早期離職が続く
施策:
- 月1回の1on1面談を導入
- 上司向けに「傾聴スキル研修」を実施
- 面談で出た改善要望を経営陣に報告
結果:
- 若手社員の離職率が40%減少
- 「上司に相談しやすくなった」という声が増加
- 改善要望の8割を実現
事例2: 物流業B社(従業員80名)
課題: 退職理由が「建前」ばかりで改善点が分からない
施策:
- 3ヶ月ごとの定期面談
- 5つの質問を標準化
- 面談後、必ず1つは改善アクションを実行
結果:
- 本音を話してくれる社員が増加
- 離職の兆候を早期発見できるようになった
- 定着率が35%向上
事例3: 建設業C社(従業員40名)
課題: 高卒新入社員が孤立し、早期離職
施策:
- ゆめアカのインターンシップで入社前から関係構築
- 入社後は週1回のメンターとの面談
- 本音を話しやすい雰囲気づくり
結果:
- 高卒新入社員の定着率が90%に向上
- 「何でも相談できる環境」という評価を獲得
- 2年間で12名の高卒採用に成功
東海3県40校とのネットワークを持つゆめアカでは、インターンシップを通じて入社前から企業と学生の信頼関係を築くことで、入社後も本音で話せる関係性を維持し、離職率を大幅に下げています。
まとめ
重要ポイント
- 若手社員は「建前」と「本音」を使い分ける
- 退職を決めてからでは遅い。定期的な面談で本音を聞き出す
- 本音を引き出す5つの質問を活用する
- 一方的なアドバイス、否定、行動しないことは厳禁
- インターンシップで入社前から信頼関係を築くことが効果的
次にすべきこと
- 月1回の1on1面談を制度化する
- 本音を引き出す5つの質問を実践する
- 面談で聞いた改善要望を必ず1つは実行する
- 上司向けに傾聴スキル研修を実施する
- インターンシップで入社前から信頼関係を構築する
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